*パソコンからご覧の場合は押しても変化しません*
下記の項目をクリックすると、このページ内の説明箇所に移動します。
【X(旧ツイッター)上での解説集(1)】ページと【X(旧ツイッター)上での解説集(2)】ページにも、各話についての解説や感想があります。
また、各話のメインスタッフについてはこちらをご覧ください。
サップスたちのたびかさなる失敗に怒ったホイヘンスは、対遊星仮面に傾いていた戦略を、本来の対地球破壊工作に軌道修正。イモシのアイデアによるマグマ作戦を実行する。
マグマ作戦とは―――地殻の柔らかい場所を選んで地下のマントル近くにまで地底戦車でトンネルを掘り、爆弾をしかけて溶岩を地上に噴き出させるというもの。戦車の乗員としてデクスター1尉 が、戦車の部品とそれを組み立てるロボット兵たちとともに地球に送り込まれる。
やがて地球各地で火山の噴火が相次ぐようになる。異変に気づいた防衛隊本部が調査を依頼したのは、地質学研究所のヘレン女史。
彼女がソクラトンと話し合うためにソクラトン邸に来た時、たまたまピーターと遭遇。ピーターは彼女に母マリアの面影を見てしまう。
たまらず、かつての自分の家に行き、母をしのびながら、自らの戦いへの決意を深める。
まもなくヘレンを含めた軍の調査隊は、噴火が現在休止状態にあるブラックスカル噴火口で、すべてがピネロン側のしわざだと確信する証拠(戦車の車輪跡)を見つける。しかし爆弾がセットされていることまでは知らない。
かけつけた遊星仮面が時限装置を止めるも、その間にデクスターの乗った地底戦車は地上へと進行。シューターをもはねかえす外装と強力な砲弾攻撃で地球軍を圧倒するが、遊星仮面は砲弾口から戦車内部へとシューターをぶち込む。
さらにキャタピラ部分を攻撃し、戦車を噴火口に叩き落として破壊。残ったロボット兵たちも地球軍によって壊滅させられるのであった。
注 物語中では“休火山”という用語が使われていますが、現在ではその用語は使われません。
注目点は、なんといってもピーターの内面告白です。
シリーズ中で唯一、告白しているのです。何のために自分はピネロン側を敵にまわして戦うのかを。
で、彼の自宅での出来事をくわしく記せば、以下のとおり。
ピーターはふと、床に転がっていた毛玉を見つけ、母マリアが昔自分のために靴下を編んでくれたことを思い出す。
「なにも自分で編まなくても、機械にやらせたらいいじゃないか」という父ロバートに対し、マリアは首をふり、「坊やの靴下ですもの」と笑いながら答える。
愛情深い母。その母は、地球側に連れ去られてしまった。
それでも彼は地球側を責めない。
「戦争が悪いんだ。地球に戦争をしかけてきたピネロン星が悪いんだ。……僕は地球の子だ。戦争をなくし、ママと一緒に再び平和な生活を送るんだ!」
―――思い込みかもしれません。
だって自分が戦って直接手をかける相手は、ホイヘンスやイモシではなく、母と同郷の一般人なんですから。
矛盾を感じているからこそ、逆に強く宗教がかって思い込むしかないのかもしれません。母を救うにはこれしかないと。あるいは、自分を地球人として認めてもらうためにもこれしかないということなのかも。
そういう強い思いを確認したからでしょうか、遊星仮面となってデクスターの前で叫ぶ「戦争やめろ!」という彼のセリフには、他の話にはない重みが感じられます。
それにしても、ヘレンおねえさん、マリアとは全然似ていませんが。
―――――
【皆様からの作品批評 第2クール(14話~27話)について】ページより、こちらもご参照ください。
>>>このページの最初に戻る
独裁色を強め、異論派への弾圧を深め、軍事予算を拡大させ続けるホイヘンス。戦果が上がらないことにイラだちながら、イモシの提案にのって新しい計画を進める。
それは、巨大な虫眼鏡で集めた太陽光線で、地球を焼いてしまおうというもの。
具体的には、巨大な2つのアンテナをもった宇宙ステーションを地球と太陽の間に浮かべ、アンテナ間に電波を通すことで、虫眼鏡に相当する「電子レンズ」をつくるというもの。
設備は完成するも、焦点を合わせる操作は手動のために難しく、練習段階での電波を月基地に察知されてしまう。しかし地球側にはその電波の正体がわからない。
ちょうどその頃地球では、捕虜収容所が人員過剰に陥り、待遇改善を求めて各地で暴動が起こっていた。
対策のためビッツが命じたのは、全ピネロン人捕虜を、太平洋上の人口島ローレル島へ移送せよというもの。
情報を知ったピーターは、移動させられる捕虜たちの中から母マリアを見つけだそうとするが、見つけられない。
やがて、電子レンズが本格的に稼動し始める。
地球のいたるところで火災が起こり、南極の氷は解けて各地で洪水が起こり、気温は上昇。ようやく地球側はレンズの存在に気づくものの、暑さで近づけない。
ひとり遊星仮面のみが突入。見事レンズをつぶすのであった。
見どころはなんといっても、ピネロン人捕虜たちをめぐる地球人たちの人間模様です。
暴動の首謀者を殺してしまえとビッツ。それでは逆に暴動が広がるといさめるニック。捕虜たちを詰め込んで乗せた輸送車に向かって、「ピネロン人は殺してしまえ!」と石を投げつける大勢の地球人たち。その一方で、「戦争と関係ない捕虜に石を投げるなんて地球人の恥だ!」といさめる者もなかにはいる。
やがて捕虜たちは、銃で脅されながら、ローレル島に向かう船に次々乗せられていく。はやく進めとどなりちらすキニスキー。ピーターは母を求めて人々の群れに走りよるが、第1話と同様、キニスキーに足蹴りされ地面に叩きつけられてしまう。
ソクラトンは悲しむピーターを、「会ったところでどうにもならない」と、逆にいさめる始末。
この救いのなさ……。
―――――
【皆様からの作品批評 第2クール(14話~27話)について】ページより、こちらもご参照ください。
>>>このページの最初に戻る
銀河系で発見されたばかりの星、エンゼルエランド星、略してEE星。その内部にイモシは、同じ科学者仲間の協力のもと、突貫工事で推進ロケットを埋め込む。EE星の軌道をはずさせ、地球にぶつけさせるためにである。
EE星の謎の振動。それに気づいた民間の天文学者からの指摘で、ソクラトンは分析のため、国際天文台へ向かう。
3人で虫取りに出かける予定だったピーターとリンダは、しかたなく2人だけで外出する。
田舎道を歩く2人は、たまたまひとりのピネロン人の老人と出会う。
地球軍や秘密警察から逃れ、ひそかに隠れ家に住む善良な老人で、2人は通報しないことを誓ってその場を去る。
しかし、2人のあとをつけていたパイクとマックが、褒賞金欲しさに秘密警察に通報。老人は逮捕され、家には火が放たれる。
燃えさかる炎で事態を知るピーターとリンダ。
その頃天文台では、ソクラトンたちの分析により、EE星はまもなく地球にぶつかることが判明。
誰もピネロン側のしわざとも知らず、自然現象ならやむをえないとあきらめるばかり。
ソクラトンは心を落ち着けるためにオルガンをひき、リンダは神に祈る。―――そんな時、ソクラトンのつぶやきをピーターは聞き漏らさなかった。
「科学防衛庁にあるラムダー粒子爆弾を使えば(もしや)……」。
やがて遊星仮面はラムダー粒子爆弾を持って、EE星に突入。
イモシたちが退却する寸前に乗り込み、EE星を破壊。彼らの陰謀を叩きのめすのであった。
ピネロン人の老人は、「昔はピネロン人も地球人もきょうだいのように仲がよかったのに」と嘆き、「僕の母も……」と、ピーターは苦しげに目を閉じる。
このあと、非道なチクリによって老人の精一杯のわが家は焼かれてしまう。
「何も悪いことはしていないのに」とリンダは嘆き、ピーターは、「戦争をやめさせなくては、人間の幸せをとりもどすために」と心に誓う。
―――このエピソードを膨らませれば、十分に1話分の話になったはずです。
なぜそうしなかった、というかできなかったのでしょうか?惜しいことです。
さらに、この話での見どころはもうひとつ。リンダちゃんがかわいい!やたらかわいいのです。
帽子がとてもよく似合います(←この点では9話も注目ですよ)。ピーターと踊るシーンがあったりして、しぐさがとてもかわいい。お祈りのシーンもかわいい。
きっと必ず、萌えます。
―――――
皆様からの作品批評 第2クール(14話~27話)について】ページより、こちらもご参照ください。
>>>このページの最初に戻る
レーダーの盲点をついて、太平洋に機材を送りこむピネロン側。
やがて海上に大竜巻が発生し、石油を積んだタンカーが巻き込まれ行方不明になる事件が相次ぐ。
そんな時、海岸に遊びに来ていたピーターとリンダは、偶然地下の洞窟を見つける。長々と歩いた先の行き止まりでは、謎の音が響いていた。
不審に思ったピーターは、リンダを無理やり地上に返した後、音の正体を探ろうと再び行き止まりまで行き、取っ手を見つけて岩を動かし、ピネロンの秘密の海底基地を発見する。
しかしピネロン兵たちに見つかり、秘密保持のために殺されかかるが、彼らを統括するガダル博士によって記憶喪失状態にされたあと、地上に戻される。
タンカーの行方不明事件は続き、発射地点不明の大陸間弾道弾による石油施設への攻撃まではじまり、石油不足は加速。地球軍は動きがとれない状態にまで追いやられるが、それでも遊星仮面は現れない。
ピーターが記憶喪失のままだったからだ。
ソクラトンとリンダの努力もすべてムダ。最後の手段として「記憶を失った場所に行けば、ひょっとしたら」と、ソクラトンは例の海岸へとピーターを連れていく。
地下の洞窟を見つけて歩き、秘密基地の入り口にたどりついたところで、やっとピーターの記憶が戻る。
基地にはたまたま誰もいなかった。発見された作戦日誌から、3隻の原子力潜水艦に装備された渦巻き発生器が大竜巻を発生させ、タンカーを襲い、地球総攻撃用として石油を奪いとっていたことが判明。
これで地球軍は動き、遊星仮面は潜水艦を3隻とも無傷で拿捕してガダル博士たちを捕らえ、地球総攻撃の根を叩き切るのであった。
「君は地球人か?それともピネロン人か?」というソクラトンの問いに、記憶を失ったピーターはしばし沈黙の後、「僕にはわかりません。」
ピーターの無意識での葛藤が感じられるワンシーンです。
リンダがピアノをひいて、「ママがいつもあなたにひいて聞かせてくれた曲よ」と、ピーターの記憶を戻すために聞かせるシーンにも注目。
13話でピーターから習っていた曲を、ちゃんとマスターしていたのです。
この話の良いところは、遊星仮面がひとりも殺さなかったこと。
ある意味ガダル博士は、自分の命を救ってくれたわけですからね。恩に報いたというところでしょうか。
―――――
【皆様からの作品批評 第2クール(14話~27話)について】ページより、こちらもご参照ください。
>>>このページの最初に戻る
地球を内部崩壊させる心理作戦をイモシはホイヘンスに進言。シンド、バットの2人のサップスが地球に送られるやいなや、地球上ではピネロンマークのついた人々があちこちに出現する。
ピネロン人は逮捕して収容所送りという原則に沿って防衛隊本部は動くが、とても追いつかない。
社会は混乱し、誰がピネロン人か!という疑心暗鬼に満ちあふれ、流血の騒ぎまで頻発するようになる。
ピネロンマークはリンダにもあらわれる。
「まさか、そんなことは!」
動揺するソクラトン。じつは、リンダはもともと孤児で、彼の本当の孫ではなかったのだ。
しかし、このことでかえってリンダとの絆を強く認識した彼は、積極的に原因解明へと乗り出す。
ピーターは、マークをリンダ本人にわからせないよう、他人にも見られないよう彼女を守ろうとするが、ちょっとしたすきにパイクとマックに見られてしまう。
「ピネロン人につかまっても、仲間を連れていれば助けてもらえる」との勝手な理屈で、リンダを誘拐するパイクとマック。しかし突如現れたシンドとバットに倒され、こめかみに銃口を押し付けられる。
たちまちこめかみに現れるピネロンマーク。現場を押さえた遊星仮面は、銃を奪いリンダを救出する。
銃は防衛隊本部に届けられ、ソクラトンの分析で、一種のスタンプ銃だということが判明する。
撃ちこんだ皮膚に、特殊な屈折反射をするよう加工された太陽光線を当てると、ピネロンマークが浮かび上がるというしかけだ。
―――ということは、今地球上に降り注いでいる太陽光線は加工されたものであって、それを行う機械であるプリズムマシンが地球のどこかにあるはずだと、ソクラトンは推測。科学庁天文台のアンドロメダ女史の助けを得て、キニスキーとともにマシンの捜索にあたる。
リンダは、誘拐されかけた時のショックで、高熱を出し寝込んでしまう。
ピーターは、彼女をかつての自分の家に連れていき、つきっきりで介護。
熱がひきかけたのは、プリズムマシンが見つかったとのアンドロメダからソクラトンに向けての無線をたまたまキャッチした頃だった。
マシンは、シンドとバットの宇宙船に積まれて海上を移動していた。
遊星仮面が彼らを倒し、マシンを破壊すると、人々のこめかみからはことごとくピネロンマークが消え、リンダの体も回復するのであった。
設定は秀逸。深い人間模様を展開させる逸品。
リンダが孤児だったという事実は、ソクラトンの独白だけで解説されるため、いつどこでどこからどうやってひきとったかといった詳細はわからずじまい。ですが、ピネロン人ではないかとの疑惑に一瞬ゆらいだことから、おそらく両親の素性は不明でしょう。
リンダ本人が自分の出自をどこまで知っているのかはわかりませんが、23話を見る限りでは、両親がいないという事実だけは受けとめているらしいです。
そしてやっぱりキニスキー。彼は今回の事態に当然混乱。プリズムマシンを探すさいには、なかなか見つからないことにイラだち、協力者のアンドロメダまでもがピネロン人だなどとわめく始末。
そんな部下に対しビッツは、「我々は信頼があるから生きてゆける。ピネロンマークに惑わされるな」「信じ合う、それが人間の一番大切なことだ」と言って諭し、陰で聞いていたピーターを感動させます。
物語の最後でピーターは、この時のビッツの言葉を思い出し、「あの人は立派な人なんだなあ」と思うわけですが……私的にはせいぜい「あの人ともわかりえるんだな」といった程度で良かったんじゃないかと思うんですけど。
もっとリンダの出生をめぐる劇的演出があれば良かったのに。なんとも惜しい作品です。
マニアックな見どころとしては、ピーターとリンダの甘い関係でしょう。シリーズ中一番エロスが漂います。
「ピーターどこにも行かないで。」 「大丈夫、ここにいるよ、リンダちゃん。」
―――――
>>>このページの最初に戻る
兵士たちの士気を高める目的で開かれた自動車競走のイベント中に、偶然ピネロン軍の大要塞が発見された。
なぜピネロンの基地がいきなり地球に?謎は解けないものの、ともかく殲滅すべきとしてビッツは、退役間近のミドル大尉を指揮官にすえた大機動部隊を送り込む。
しかし、部隊は現地で大竜巻に襲われ、ミドルは3人組のサップスたちに襲われる。
ビッツが次にミドルを目にした時には、ミドルは反乱軍の指揮官と化していた。
撃滅せよとのビッツの命により、キニスキーはミドルに銃を向けるが、寸前で遊星仮面が救助。ソクラトン邸に運ぶ。
ソクラトンが調べると、バックルに仕掛けられた装置から出る電波で操られていたことが判明。
正気に戻ったミドルの証言で、大要塞は人工的につくりだされた幻であり、大竜巻も人工的なものであること、すべてはピネロン側のしわざであることが割り出される。
そのとおり、ピネロン側のある宇宙ステーションが、幻をつくりだすミラージュ光線を発射させ、大竜巻を引き起こさせていた。
ミドルを使って地球軍の内部崩壊を狙ったわけだが、それに失敗したピネロン側は、今度は地球各地に自分たちの大艦隊の幻を出現させて大混乱を引き起こさせ、さらには軍事施設を大竜巻で吹き飛ばそうとする。
地球側は宇宙ステーションを突き止めるものの、それは「地球のロケットは届かない」場所にあった。
そのためミドルは、地球にいるスパイ(サップス3人組)と宇宙ステーションとの連絡を絶とうとし、サップスたちの基地を見つけて襲撃する。
遊星仮面は当のステーションにまで行き、ミラージュ光線の設備も含めて破壊したあと、地球に舞い戻ってミドルを援護する。
サップスたちを倒し事件を解決させたミドル。汚名をはらしたばかりかその功績により2階級特進し、無事除隊となったのであった。
「地球のロケットは届かない」場所 ってどこ?行くのに時間がかかるってことなのでしょうか。
それに、戦時下で自動車競走が行われる意味もわかりません。ガソリンがもったいないでしょうに。
この話の見どころは2つ。ひとつは10代後半と思われる美少女マリーちゃん。ミドルのひとり娘です。
じつは「遊星仮面」という作品、出てくるキャラの年齢の偏りがひどいのです。ピーターとリンダは別として、男ならおっさんか10歳にも満たない少年、女なら大人、悪く言えばオバさんばかり。ピーターと同世代の若者はひとりも登場しないのです。
唯一の例外がこのマリー。ただし、父親の異変を悲しむだけの役割しか与えられておらず、無個性なのが残念。
そしてもうひとつの見どころは、やはりなんといってもキニスキー。ミドルを助けようとする「正義の味方」遊星仮面に、この人は堂々と銃を向けます。
「じゃまをする気か!かまわん、やつを片付けろ!」―――ある意味かっこいい。
―――――
【皆様からの作品批評 第2クール(14話~27話)について】ページより、こちらもご参照ください。
>>>このページの最初に戻る
打倒遊星仮面のために選ばれたサップスは、サイボーグのギルドン。
手足のとり換えがそれぞれ3度まで可能で、ジェット噴射で空を飛べ、いざという時のための自爆装置を内蔵。その上で、強力な武器であるニードル銃を持って地球へと向かう。
しかしギルドンの宇宙船は、途中で地球軍に発見、攻撃され、大気圏に突入したあと墜落。
その状況は繁華街にいた市民たちの目にも入る。そうしたちょっとした混乱の中で誤解が生じ、ある混血児の少年が窃盗の疑いをかけられてしまう。
パンを買いにきていたピーターは騒ぎに遭遇し、少年を助けようとして逆に同じ窃盗仲間だと疑われ、かけつけてきた地球軍兵士たちからも追われるはめに。
少年と別れていったんソクラトン邸に戻るが、キニスキーが自分を拘束に来たことに気づき、逃走する。
ギルドンは、幸いにも人目のつかない湖に墜落して無事だった。
壊れた足をとり替えて回復するや、すぐさま各地でテロを繰り返す。
「出て来い、遊星仮面!」
しかしその頃遊星仮面―――ピーターは、再会した少年とともに逃走中であった。
少年は、地球人の父を戦争で失いピネロン人の母を収容所に入れられ、自分の家すらなかった。
「なんでみんな僕たちをいじめるの?」
そんな2人を兵士たちが追う。ピーターは少年を別方向へ逃がし、兵士たちをひきつけて、うまく巻いてしまう。
ギルドンは、いっこうに現れない遊星仮面にしびれをきらし、防衛隊本部に突入。ビッツとニックに無条件降伏の文書を調印させようと迫ったところで、ようやく遊星仮面が現れる。
緊迫の戦いが続いた後、決着をつけようとギルドンは、自爆装置を働かせて仮面を道連れにしようとするが失敗。自分だけが爆死してしまう。
ピーターがソクラトン邸に帰ると、彼の身を心配してくれるリンダがいた。ソクラトンは、混血児対策の見直しをビッツに進言してきたあと、わざわざケーキを買ってきてくれていた。
そのケーキを前にピーターは、名前も知らずに別れた少年にも、せめてこのケーキを食べさせてあげたかったと思うのであった。
「(混血児の)不良化、不良化と騒ぐだけで、いったい混血児がどれだけ悪いことをしてるんです?偏見ですよ。たとえ不良化したとしても、それは政治の責任なんだ。もっとあたたかい手をさしのべるべきです。彼らの多くは父親を戦争でなくし、母親を捕虜として収容され、浮浪児同然じゃありませんか!」
混血児は悪い、ピーターもその仲間だと言い張り、引き渡しを求めるキニスキーに対し、断固として拒否するソクラトンの言葉。
作り手の意思がストレートに伝わってくる名言です。
この話では、無垢な子供たちにふりかかる理不尽な悲劇が、見る者の心を強く揺さぶります。
子供を戦争に巻き込ませてはいけないというメッセージがひしひしと伝わってきます。
インパクトからしても逸品ですね。
でも、だからこそ不満があるんです。少年がその後どうなったのか、結局わからずじまい。
彼ばかりじゃない。2話の母子といい、16話の老人といい、その後どうなったのかわからない。
物語としてはハードといえばハードですが、中途半端ともいえます。もう少しキャラを大事に、上手に使ってほしかったです。
ところで、ギルドンはイイですよ。キャラとして大いに立っています。
―――――
【皆様からの作品批評 第2クール(14話~27話)について】ページより、こちらもご参照ください。
>>>このページの最初に戻る
AG衛星とは、反重力電波発生装置を内蔵させた有人衛星。ピネロン側は、それを月のまわりでぐるぐる回すことで引力のバランスを崩させ、月を軌道からはずさせて、地球に激突させようとはかる。
地球軍のロケットははじきとばされ、近づくことすらできない。
月が地球に近づくにつれ、地球各地ではさまざまな天変地異が起こり始める。
このままでは地球は崩壊するがどうすることもできない。そんな危機的状況のなかでも遊星仮面を探しだそうと、サップスがひとり(名前は不明)潜入してくる。
彼は、探偵の看板を掲げたパイクとマックのもとを訪れ、遊星仮面の正体をさぐろうとする。見返りとしてピネロン星への亡命を希望する2人は、ピーターのことを通告。
そこでサップスは民間人に化けてソクラトン邸に潜入するが、リンダに怪しまれ騒がれてしまい、やむなく彼女を連れて逃走。
しかし、すぐに遊星仮面が現れ彼女を奪回。サップスが飛び乗った宇宙船をシューターで一撃し、爆破させる。
遊星仮面はそのまま宇宙へ飛び、AG衛星にライダーごと突入。なかにある反重力電波発生装置にシューターを向けるがはじかれ、そのためライダーを突っ込ませて破壊する。
月はやがて元の軌道に戻っていき、危機は去る。
ストーリー的には平凡ですが、効果音が笑える。次回22話と並ぶ異色効果音作品です。
AG衛星から発生する電波の音が、もろに打楽器のドラの音。バンバンバンバン。―――オモシロすぎです。
見どころはほかにもあって、リンダを助ける遊星仮面。サップスの宇宙船を爆破させたことで吹き飛ぶ破片から彼女を守ろうと、マントでそっとやさしく彼女を覆う姿には、思わずドキドキ。
武器として酷使されるライダーも、いい味出しています。座席はオープン状態のまま「最高速度、秒速10万キロ!ライダー、つっこめ!」
―――凄い科学!
―――――
>>>このページの最初に戻る
ある夜ピーターは、今は誰もいないかつてのわが家をたずね、偶然、アトランタを含めた家族4人の写真の入った父ロバートの時計を見つける。
思い出にふける彼の目に、突如空から降ってくる謎の流星が。
流星は2つに割れて、南極と北極にそれぞれ落下する。
やがて、地球を回る人工衛星やロケットが激しい重圧力を受け、破壊されるか、あるいは引き寄せられるように地球に激突。地上に落ちたロケットからは、すさまじい放射能が検出される。
わかったことは、両極地に落ちたのは超強力な磁力線を出す球体であること。その2つが作用し合って地球を締めつける重圧力を生みだし、宇宙の放射線をも吸い寄せてさらに重圧力を増大させているのだということ。
このままだと水素原子が降ってきて人間の体を破壊し、やがては押しつぶされまいとする地殻の熱の力で地球は大爆発するだろうという予想が出る。
すべてはピネロン側の筋書きだ。それを阻止するため、キニスキーたちが球体を破壊しようとするも、重力と電磁波の嵐に阻まれ、まるで近づけない。
どんどん強まる重圧力。地上の建物は次々崩壊し、降ってくる水素原子によって人々は次々死んでいく。
そんななかでピーターとリンダは、ソクラトン邸の地下にある、放射能を通さない鉛の部屋に閉じ込められる。
2人を守ろうとするソクラトンの配慮であったが、ピーターには予想外。
出ようとあがくも出られない。そんな彼の心を落ち着けたのは、父の形見の時計。どんな時にもあわてず心を鎮めて、人のためになることならただひたすらに行動をとれ との父の教えに従い、冷静に合鍵をつくって外に出る。
そして遊星仮面登場。
地球への重圧力が限界に達する寸前に、球体を破壊する。
それによって地球に吸い寄せられていた放射能は宇宙に逆流し、再度球体を地球に差し向けようとしていたピネロンの宇宙船をも破壊してしまうのであった。
「ピネロンの混血児め!」と吐き捨てるキニスキーに、ピーターは「あいつがママをさらったんだ」とつぶやく。
物語の最後には、母の救出を誓うピーターがいる。
―――物語中盤にきて、初期設定を再度視聴者に再確認させる内容になっています。
ただメインストーリーに関しては―――凄い科学!
つくり手は本音では、「こんなことありえねぇよ」と思っていたのではないかと。やたらセリフが説明くさくて理屈っぽすぎるのです。
そのわりにはわかりづらい。
遊星仮面の強さもあまりにも論理無用ですし、ちょっと荒唐無稽すぎるかなと。
ただ効果音の異色さは特筆すべきですね。21話より強烈です。球体から発生する磁力線に音がついていて、「わわっ、わわっ、わわっ」と人の声に近くて、しかもリズミカル。
あまりにもオモシロすぎです。
他、時代を感じさせるシーンにも注目。
合鍵をつくって外に出たことをソクラトンに黙っていてもらうためにピーターは、リンダにバナナを持ってくることを条件に出すのですが、これは今から見ると「え?なんで?」と思うところ。
この話の制作当時の日本では、バナナはメロンと並ぶ高級品だったのです。当時ならすんなり納得できたはずです。
―――――
>>>このページの最初に戻る
道路沿いで月を眺めるピーターとリンダ。母マリアから聞いた月の話をしていたピーターは、「ママ」「パパ」という言葉に反応して急に悲しげな表情になったリンダに気づき、両親のいない彼女の身を案じる。
そんななか、突然近くの原子力発電所付近から爆発が。
サップスのエスカメレオンが起こした、地球軍の目をひきつけるためのテロであった。月の裏側に地球攻撃用の発射基地をつくっていることを知られないようにするためである。
そのためエスカメレオンは、月の異常に気づいた者たちを次々と暗殺していく。
月の研究の第一人者、カルメル博士(女性)もそのターゲットになるが、地球軍将校ダン・ホセと遊星仮面の活躍によって、彼は捕らえられる。
エスカメレオンが宇宙に追放されると同時に、月が反転して向きを変え、月の裏側が地球側に向く。
そしてバズーカノンの目(巨大な宇宙長距離砲の砲眼)が現れる。
ピネロンの基地が完成していたのだ。
バズーカノンの目からは、ミサイルが次々と地球に打ち込まれる。
地球危うし!そこに遊星仮面登場。
月を反転させた動力室を、シューターを時限爆弾として使って爆破させ、さらにバズーカノンをも破壊。
静かになった地球では、再び月を見上げるピーターとリンダの姿があった。
「僕たち、パパやママがいないけれど、強く正しく生きるんだ!」
カルメルをめぐって、「女という特権は無視して殺す」と迫るエスカメレオンと、「あの美しい世界権威を守れ」とどこか私情に走るダン・ホセとの対決。
2人は以前にも対決しているようですが、その経緯は全く説明されません。
そして、そこに割って入るは遊星仮面。
エスカメレオンとの戦いではマスクが壊れ、マントで素顔を隠して戦うはめに。さあそれからどうなる!と思いきや、すぐあとの月での戦いでは、何事もなかったかのようにマスクをつけています。
―――それって予備?
エスカメレオンを乗せた宇宙船が、その後どうなったのかわからないことなども含めて、全体的に説明不足、消化不良気味なのは否めません。
ですが見どころはいくつか。
ひとつはピーターとリンダのお月見シーン。ピーターが、母マリアから聞いた月のウサギの話をしていると、リンダは悲しげにうつむくのです。
両親のいない彼女の心の奥底の、秘めた悲しみが伝わってきます。
(それにしてもなんでピネロン人のマリアが地球の月のことについてくわしいんでしょう?)
他にも―――物語の冒頭、遊星仮面のコスチュームの各機能について、イモシの憶測でくわしく解説するシーン。
遊星仮面とエスカメレオンとの戦闘シーンも、短いですが迫力あります。シューターを時限爆弾として使うシーンもなかなかカッコいいです。
それにしても月を反転さすって―――凄い科学!
―――――
【皆様からの作品批評 第2クール(14話~27話)について】ページより、こちらもご参照ください。
>>>このページの最初に戻る
「いつか歩いた道。その日も深い深い霧だった。あの時はそばに父と母がいた。しかし、今はひとりだ。ピーターはひとりだ。戦争、それが悪いのだ。」
―――このナレーションと、森の中を歩くピーターとともに物語ははじまる。
幼い頃母と一緒に植林し、いまや大木になっている1本の木。それを眺めながら、母との思い出にふけるピーター。
しかし現実に戻ると、すぐ横を戦車部隊が走る。
「戦争……いつまで続くんだ。」
眉をひそめるピーター。そこに突如火の玉が降ってきて、戦車部隊を直撃。
彼の思い出の木は無事だったものの、あたりの森は焼き尽くされる。
ピネロン側のしわざであった。音波で太陽を刺激して火の玉を噴出させていたのだ。地球から見て太陽の裏にある宇宙ステーションから、直接イモシが操作していた。
地球側はしばらくは真相がわからず、各地にふりそそぐ火の玉にうろたえるばかり。
真相がわかっても、当の宇宙ステーションに行くには、地球のロケットでは5日もかかることがわかる。
その間にも被害は広がり、ついにはピーターの思い出の木も炎に包まれる。
絶望する彼を、パイクとマックは、一緒にいたリンダもろともガス銃で気絶させてしまう。
地球の危機にあせった彼らは、一刻もはやく遊星仮面の正体を暴いてピネロン側に亡命しようと、第一容疑者であるピーターの拉致にふみきったのだ。
監禁部屋で苦しげに目を覚ますピーター。彼は、幼い頃自分を励まし勇気づけてくれた母の言葉を思い出し、負けるものかとパイクとマックからガス銃を奪って、彼らを気絶させる。
そして遊星仮面となって、イモシのいる宇宙ステーション内に侵入し、機械を破壊する。
静かになった地球でピーターは、思い出の木の残骸を見つめながら、平和をとり戻そうという思いを新たにするのであった。
シリーズ中、最も叙情的な作品。
幼いピーターと母マリアとの回想シーンはやさしく美しく、BGMも効果的。それだけに、ホイヘンスとイモシのBGMとあまりに違いすぎていて、続けて流されると、そのギャップにひっくり返りそうになりますけど。
ピーターが真性のマザコンであることも証明されます。「ママは僕の太陽だ」ときますからね。
そんな彼の回想だからなのでしょう、この回のマリアは美しすぎます。
科学は相変わらず凄い!太陽にそんな刺激を与えたら、反動ははかりしれないはず。
太陽風―――いわば電磁波が飛び散る影響も無視できないでしょうけど……ま、いいか。
―――――
>>>このページの最初に戻る
フットボールほどの大きさのスモールボンバー(小型核爆弾)が数多くと、マスターボンバーがひとつ―――これらをピネロン側は地球各地にバラまき、マスターボンバーを最初に爆発させることでスモールボンバーを連鎖反応的に次々爆発させ、結果地球を破壊させようともくろむ。
ムントが防衛隊本部をかく乱し、注意を引きつけている間に、他のメンバーがボンバーを各地にバラまいていく。
ある夜望遠鏡を見ていたピーターは、廃墟と化した煙突にあやしい人影を発見する。
翌日リンダとともに現場に行き、ひとり最上部まで登りきったところで、とりつけられたスモールボンバーに気づく。
もちろんどんなものかも知らず、手にとろうとしたところで、煙突の一部が崩れて中の空洞部に落下。
パニックに陥るリンダ。彼女は助けを求める間もなく、たまたま通りかかったムントたちに拉致される。
その後ボンバーに気づいたのはパイクとマック。彼らの通報によって防衛隊本部に回収される。
スモールボンバーの実物回収によって、ピネロン側の陰謀は解明される。
防衛隊本部はマスターボンバーの回収に動きだすが、パニックを恐れて市民に内密にしたため、マスターはおろかスモールの回収すら難航。
そんななかでサップスたちは、ローレル島にある収容所に捕虜として拘束されている同胞の救出へと向かう。
本国での人気とりを狙ったホイヘンスのパフォーマンスの一環であったが、サップスたちはそうした命令をも粛々と実行。リンダを人質に同胞との交換を迫る。
煙突からやっとのことで抜け出せたピーターは、ラジオで状況を知り、「ママがいるかもしれない島だ」と動揺。
ローレル島に遊星仮面が現れたのは、サップスたちが収容所の鍵を手にする直前であった。
仮面の活躍でリンダを救出できたばかりか、逃げ出したサップスたちのなかからひとりを捕らえることに成功。
その彼からはマスターボンバーの爆発日時を聞き出せたものの、設置場所についてはムントしか知らないと言う。あせる防衛隊本部とピーター。
しかしまもなく、その爆発日時が国際標準時間―――つまりグリニッジ標準時計台の示すものであることに気づく。あるならそこだ。
ビッツとニックとソクラトンは時計台へと向かい、ムントと遭遇する。
任務を忠実に果たそうとするムントは、「この地球にはピネロン人も残っている、考え直すのだ」とのソクラトンの忠告も無視。しかし現れた遊星仮面によって倒され、そのさい時計の針が壊されたことで、内部にあったマスターボンバーは動きを止める。
その後、爆発の危険がなくなったスモールボンバーは次々と回収され、ピネロン側の陰謀はすべて断たれる。
物語の設定は、2クール目の作品の中では一番リアリティーがあっておもしろい。ただ、当時の子供たちが理解できていたかどうかは疑問です。子供にはちょっとややこしい内容ですから。
やっぱりこの話でのポイントは、ピネロン人捕虜をめぐる駆け引きでしょう。当事者である捕虜は誰1人出てきませんが、まわりの動きはリアル。政治的意図によって振り回される民衆の悲劇です。
それだけにムントを諭すソクラトンの言葉が、より重く感じられるのです。
そのムントですが、彼の行為は今の目から見ると決して悪いものではありません。
地球軍に捕らえられたサップスも、「祖国ピネロンのために我々は死ぬのだ」と言い切っています。
彼らは戦時において当然のことをしているだけ、職務に忠実なだけで、悪人ではない。
悪人はいないのです、ホイヘンスとイモシ以外には。
―――――
【アニメ25話絵コンテ】ページから、18ページにわたって絵コンテを掲示しています。
>>>このページの最初に戻る
注 放映当時の新聞上では、タイトルは「ハイクロイドガラスの秘密」(管理人調べ)
地球に侵入してきたピネロンの宇宙船。サップスのものと察した遊星仮面はそれを追うが、途中でスッと消えてしまう。付近からはガラス片のようなものが見つかる。
サップスは3人いた。女性の10号を頭に、11号と12号(どちらも男)。
彼らの任務は地球の科学者たちの抹殺。手はじめにボガート博士の車を襲って、彼と、同乗していたキャロル助手、運転手らを始末した後、彼らにそれぞれ化ける。
そして、ひそかに科学者たちを次々暗殺していく一方で、ボガード、キャロルとして堂々とビッツに面会し、地球を守るための全科学者による団結会議を開きたいと申し出、承認される。
場所はノア島。太平洋にある人口浮き島で、まわりから隔絶された孤島のため敵の侵入を防げるというわけだ。
その旨をソクラトンに伝えにきたキャロル(10号)の顔を見て、ピーターは驚く。
例のガラス片の正体は、ソクラトンによって「ハイクロイドガラス」というものだと判明する。
飛行物体から出る「ハイクロイドガス」というものが、圧力を受けて固形化したもので、太陽光線を吸収する性質をもつ。
光が強いなら、そのガラスに覆われたものは、完全に視界からは消えてしまう。
消えた宇宙船の謎はこれで解けた。
ソクラトンは、ピーターとリンダの反対にもかかわらず、ノア島行きを決断。やむなく2人は見送りのために飛行場へ。
そこでたまたまリンダは拾い物をして、落とし主の男に渡そうとするが、なぜか男は受けとらずに立ち去る。
彼の恐ろしげな容姿を見て、直感でサップス(11号)だと感づくリンダ。しかし、拾ったものがハイクロイドガラスであることまでは気がつかない。
ピーターは彼女からガラスをとると、(おそらくは確認のために)その場を離れる。
理由もわからず置いていかれふてくされたリンダは、せめてサップスの潜入をソクラトンに知らせようと飛行機に忍び込むが、荷物室に入ったところで飛行機は動き出してしまう。
ピーターがガラスをよく見ると、謎の暗号とノア島の海図が書かれてあった。
そのノア島の会議場では、科学者たちはサップスたちによって1ヶ所に集められ、監禁されてしまっていた。
そこにリンダが遅れて到着する。
化けたままの3人に、そうとは知らずサップスのことを話すと、彼らはいっせいに正体を現す。
驚愕し、気を失うリンダ。
サップスたちは、彼女と科学者たちを抹殺しようとするが、寸前で遊星仮面が現れる。
戦いのなか10号は、誤って11号と12号を手にかけてしまい、やむなくひとり宇宙船に飛び乗る。
ハイクロイドガラスを発生させ太陽光に隠れて逃れようとするが、追いかけてきた遊星仮面の放ったシューターが命中。
結局科学者たちには何の被害もなく、ソクラトンはリンダとともに無事帰還する。
11号はなんで、機密事項の書かれたハイクロイドガラスをリンダから受けとらなかったんでしょう?
ただのメモで、もう必要ないからいいって?地球人には何を書いているかわからないだろうから、見られてもいいって?どっちにせよずさんですね。
(そもそも、なんでハイクロイドガラスをメモ帳代わりに使ったんでしょう?)
この話で目立つのは、リンダちゃんのおバカさ。後先考えずに離陸直前の飛行機に乗り込んでしまうわ、「おたんこなす」は美しい女性のことだと言ったパイクとマックの話をそのまま信じ込んでしまうわ。
そして美しいキャロルを見るや、本人を前にしてまともに「おたんこなす」と言ってしまうのです。
で、そのキャロルに化けた女性サップス10号。シリーズ中唯一の、女性の敵キャラです。そんな貴重な女性を、遊星仮面は直接手にかけてしまうのです。
女性を殺したヒーローって、子供向け番組となるとまずこの時代にはいないと思いますけど。
少し後になると「デビルマン」がありますが……あ、でもあれは人間じゃありませんね。
―――――
【皆様からの作品批評 第2クール(14話~27話)について】ページより、こちらもご参照ください。
>>>このページの最初に戻る
常に攻められるばかりであった地球側も、ようやく地球とピネロン星との中間地点にあるトーカサス星に、大規模な攻撃用基地を建設。
ハチュンたちからの報告でそのことを知ったホイヘンスは衝撃を受け、自ら大円盤隊を率いてトーカサス星へと乗り込む。
地球側が事態を知ったのは、ソクラトンが科学設備の点検のためにトーカサスへと向かったすぐあとだった。
そのためビッツやニックら防衛隊本部の中枢メンバーも、続いてトーカサスへと向かう。
ピーターも姿を消す。リンダが彼の部屋に残されたトランクを開くと、中は空であった。
現地では、最重要基地である基地Aがピネロン側に占領され、そこを拠点に地球側への激しい攻撃が続いていた。
ビッツの弟のアルバート中佐が捕虜になっているために、地球側はどうしても基地Aには手を出せないでいたのだ。
しかしビッツは肉親の情を捨て、基地爆破をキニスキーたちに命令。キニスキーはアルバート救出をも目指すが果たせず、そのまま基地Aを爆破する。
そして両陣営の本格的交戦が始まる。ロケット、ミサイル、宇宙戦車が入り乱れての死闘。遊星仮面も当然参戦。
ソクラトンの危機を救った彼の前には、ハチュンが待ちかまえていた。
ハチュンは、遊星仮面とライダーが、強力なバリヤーに守られていることを知っていた。そのため、バリヤーを崩させるための対遊星仮面用の電子銃を部下に持たせていたのだ。
しかしその電子銃は、なんなく遊星仮面が奪取。仮面は銃を使って基地Aを破壊。
終わってみると地球側の勝利。憤るホイヘンスをイモシがなんとかなだめて、ピネロン側は退却する。
そしてアルバートは無事帰ってきた。遊星仮面が助けていたのだ。
いわゆる陣取り合戦というか、戦争ゲーム一色。その分ストーリーは平凡。他の話に見られるような暗さはどこにもありません。
それでもこの話には一見の価値があります。作画です。
スタッフ総出で戦闘シーンに全力投球した形跡があって、今見ても迫力満点。
動きや光の使い方、ぼかし、画面展開など、おそらくはその当時の最高水準。
ほかにも、いたるところに斬新な表現方法や凝った演出が見られます。
疑問点としては―――ピーターはこの話の中で、変装道具をとり出したトランクを自分の部屋に置いて出陣するわけですが、いつもはどうしているんでしょうか?トランクの扱いを示している話はほとんどないので、よくわかりません。
いちいち部屋に戻って着替えて……では説明がつかない登場の仕方のほうが多いですからね。
ところで、対遊星仮面用の電子銃ですが、31話で再登場です。
この時にはちゃんと本来の目的に使われることになります。
―――――