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遊星仮面ファンサイトの管理人が書き進めているリメイク用小説より、第5章、第6章の予告。
内容は、PDFファイル にまとめています。このサイト内に収めているもので、クリックすると開きます。(パソコンからご覧の場合、別ウインドウに表示。)
ファイルの下に記しているのは、抜粋です。
2021/12/11初UP → 最新更新日:2023/2/4
防衛隊本部では(ステッキィー)が行ったハッカー行為の詳細と、そのことで大勢のサップスたちが潜入したことを把握、すぐに対応に乗り出していた。
地球防衛の対策に追われるソクラトンは自宅に戻れず、ベルタはフェリーでの事件以降ひんぱんにビッツの直接指令で招集されるようになり、(略)ある意外な人物の意向によってピーターとリンダはアフリカ区に所属する地中海の孤島・ナイル島に移されることになってしまった。
ピーター「アデル大統領が?なんで!」
ビッツ「敵は、いまやわれらが隠し続けてきた弱点を知ってしまったのだ。空中に浮遊するエキゾチック・マターの影響で……」
イモシ「敵の致命的弱点をとらえたのです。(略)一気に叩き、一気に奪うのです。いずれこの先、武器や船の大量生産がかなわなくなるおそれがございます。太陽系にくらべ、ピネロン・ゾーンには金属資源が少ない」ホイヘンス「わかっておる!だが、万が一の事態があれば損害は計り知れんのだ!わしはお前と違って、兵隊を直接動かす立場だ」「(初回は、兵士の士気の)勢いを利用し、一気に敵の戦意を失わせる方策をお前は練るのだ」イモシ「ですが破壊を限定的にしろとは」ホイヘンス「あとで資源を奪うのにインフラまで破壊してどうする!」「私の科学力をもってすれば、などと言ってなかったか?しょせんは口ばかりだからまだわからんのではないのか?遊星仮面の正体を。(略)敵の戦力の不明確な点とは、奴のことだ!」
ベルタ「狙撃の場合なら、確実に動きを止められれば、殺さずに済むかもしれない。戦闘機からの爆撃なら、命中させればあとの犠牲を少なくできる。ただ……戦闘機の場合には殺さないといけない」ピーター「今までに何人?」ベルタ「後で死んだ人のことまではわからない。ピネロン人はもっとわからない。開戦時には戦闘機からのボタンで三機落としたけど」ピーター「……覚えてるんですね」
ベルタ「仲間が何人も戦死してる。ギリギリもってるけど、もっと死んでいったら自信がない。家族にまで何かあれば、友だち(=ピネロン人)まで憎しになってしまうかもしれない」「手を汚さないと大切なものを守れないなんて、いったいなんて時代なのかしらね」
(月基地で)いきなり爆発音が。
(ピネロン星でも)大きな爆発が起こっていた。
ピネロン兵士「反体制派のテロです。(略)「軍用市」は軍が抑えているため、民間人が住む「一般市」を標的に」
ヤートを監禁する反体制派組織のメンバー「このままでは奴は地球へ侵攻する。それを止めないと」「奴のためにまた大勢が死に、大勢が巻き込まれる。それを止めるための警告だ」ヤート「そのために、なんで自国の民間人を……(略)正気じゃない!第一ホイヘンスをこんなことで止められるはずがない!」反体制派組織のメンバー「だまれ!来い!」
反体制派組織のメンバー「サップスどもに待ち伏せされた!連中そちらに向かってる。うわっ!」
ヤート「ホイヘンス!」ホイヘンス「久しぶりだな、ヤート」
ピネロン軍の空母二隻が突然地球に侵入。
一方月基地からの連絡は遮断され、宇宙での状況がつかめない。
ニック「攻撃対象は、今のところ軍事拠点のみ。それも空母からの直接攻撃のみ。現在はどちらも攻撃をやめ、大都市上空を選ぶように移動しております」ソクラトン「無差別攻撃が目的ではないようじゃな」ニック「今のところは。ただ上空を通過された都市ではパニックがおさまらず、心理的にわが方にダメージを与え続けております。現地の内地軍は治安に手をとられてるような状況でして……」ビッツ「混乱を放置すると潜伏しているサップスどもが動くかもしれん。さらに大都市上空で攻撃すると被害が莫大になる」
地球兵「総司令!たった今連絡が入りました。二隻の空母とも止まったと。ジュネーブの情報基地と、大統領のおられるアースシティの上空に。さらに……どちらの空母も戦闘機を出してきたもようです!」
月基地――(略)至る所で破壊の痕跡が。
ティエン「クラーク中尉、ではキニスキー訓練兵(=レザー)が敵のスパイだと?」クラーク「疑いがあるのです。なぜなら……まだ民間人だった頃、彼はトーカサス星で(略)捕虜交換の場に向かう輸送船に紛れ込み、ピネロン星に送還されようとしていたピネロン人の恋人を奪回しようと騒ぎを起こした」レザー「恋人じゃない。単なる幼なじみで、私が一方的に思いを寄せてるだけです」ティエン「トーカサス星でのことは、彼の叔父であるキニスキー少尉から直接私も報告を受けている……だから聞きたい」「君の叔父は無理やり学校をやめさせて君を軍に入れた。(略)なんで君はそのまま軍にいる?」レザー「この地球を守りたいと思ったからです。地球人としてだけでなく、彼女のために。彼女が今いる地球を」ティエン「じゃあ彼女がピネロン星に戻れば、ピネロン星を守るの?」レザー「ありえません!彼女の故郷は地球。地球が破壊されて誰より悲しむのは彼女だからです」ティエン「よくわかった。君は甘い。(略)でも……君がウソを言っていないこともよくわかった」
クラ―ク「キニスキー訓練兵。私がピレイの正体を見破れなかったためにこんなことに…。君を疑って本当にすまなかった」「今はともかく大切な家族や大切な人を守るために戦おう。そして、生きて地球に帰ろう!」
しかし次の瞬間――
遊星仮面は、狙いを定めて空母にシューターを投げつける。
ロペス「あとは内地軍にまかせろ!宇宙が危ない!」
ハチュン「(ホイヘンスが)冷酷なのは、やむをえないからだ。あの方には穴はいくつもある。それを埋めるのが私の役目。あの方が気を回せない部下たちの命を守るのも私の役目!」「部下たちの救出に向かう。三号の救出に向かう」
ハチュン「バリヤーをはれ!……トーカサス星でのように!部下たちを殺せばお前(=ヤート)を殺す!」「ヤート、床から手を離すな!……一刻も早く三号救出のため地球へ!」遊星仮面「行かせるか!」
広大な軍人墓地。
レザーは墓石の前に花を置き、座り込んで話しかける。
「仇は必ずとります」そう言って立ち上がって、ハッとなった。(仇……仇とはなんなんだ?)
ベルタ「あたしはベルタ・グラナド」レザー「ああ、大統領を救った英雄の……」ベルタ(略)「ピーターがずいぶん心配してたのよ。(略)ソニカちゃんはあなたのことも心配してたわ」「あなたにも彼女のことを定期報告するわ。(略)楽譜ならわたせるわよ」レザー「いえ……いいです」
レザー(どうしたんだ、オレは。ソニカのものはなんでもほしい。でもなんで拒否したんだ?)
リンダ「楽譜におねえちゃま(=ソニカ)の言葉が書かれてる」「わたし、時期が来たらピーターにちゃんと教えようとしたのよ。なのに……」「ピーター、わたし、なんかヤバい人の娘らしいの。ずっと前から知ってた」「だからわたし、ソニカお姉ちゃまやピーターの気持ちがわからないわけじゃないの。だから、自分だけで抱え込まないで!」」
ホイヘンス「ヤートが逃げたと?……なら行き先はたどれる。ガタガタ言うこともあるまい」「兵は資源だ。損失はできるだけ防がねばならん」「お前は……大衆の恐ろしさがわかっておらん。死者と行方不明者をむげにすると、わしへの反発につながる」
ビッツ「世間の大騒ぎはおさめられんか?」ニック「無理でしょう。しばらく彼(=遊星仮面)は、地球の救世主となどと仰がれることになるでしょう。(略)だからこそ彼を取り込むのです。「事実」などいくらでも書き換えられるものです」ビッツ「一度聞きたいと思っておった。君は「事実」を書き換えたことはあるのか?」
ロペス「もはや君(=ピーター)は、自分のためだけにその力を使うことはできない。君は人々の希望でなければならない。「正義の味方」として、キレイでなければならない」
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第6章 ピネロンマークに惑わされるな
ピーターとリンダは、地球軍と対立関係にある、財閥出身のアデル大統領が拠点とするアフリカ区のアースシティへ。
ロペス「ピネロンマークがなくてもピネロン人だと主張する者もいる。君のようにピネロンマークがあっても地球人だと主張する者もいる。ピネロン人であっても故郷は地球だと主張する者もいる。そして私のように、地球人であっても故郷は木星だと……」
アデル「マリアって、あなたのお母さんだけの名前ではないのよ」
ソクラトン「誰の娘であろうと、リンダはかわいいわしの孫…」