遊星仮面ファンサイト〔付録〕

リメイク用小説
第3章―第4章


*パソコンからご覧の場合は押しても変化しません*


遊星仮面ファンサイトの管理人が書き進めているリメイク用小説より、

内容は、PDFファイルPDFファイル にまとめています。このサイト内に収めているもので、クリックすると開きます。(パソコンからご覧の場合、別ウインドウに表示。)

ファイルの下に記しているのは、抜粋です。


PDFファイル

第3章 ジュピター・ステーションでの攻防

2017/7/2初UP → 8/26 、2020/8/24、2021/2/8、12/3 → 最新更新日:2023/1/22


ニック「どうやらホイヘンスには、人材を見抜く力があるようです」

ホイヘンス「施設の被害は最小限にして、必ず占領しろ。自爆はさせるな。(略)木星の資源確保は困難となる。それになにより、ローカル・ワームホールの記録データが入手できなくなる。……そのデータが手に入れば、木星からの地球侵攻は容易となる」


ピーター「僕が聞きたいとあなたにお願いしたのは、母のことです。先日の捕虜交換からはずれていたことはあとで知りました」ロペス「心配しなくてもいいデス。本当に君のお母さんは丁重に扱われてます。(略)君のお母さんのお兄さん、つまり君の伯父さんのレガイテ・シアルは、ホイヘンス政権を支える官僚として生き残りました。お母さんの弟で、かつて頻繁に地球にも来ていた若手科学者のチャウ・アブラハムは、現在行方不明」「君も当然、地球にとっては、危険分子にもなりうる重要人物」


パイク「この星(=地球)の闇ってのは結構深いんだ。〈逸失の日〉を境に何があったのやら」


レザーが連れ戻した少女、アルテイカ・ソニカは、今はソクラトン邸にかくまわれていた。

ソクラトン「レザーとかいったな。彼が兵役につかされたそうだ」ピーター「……え?」

ビッツ「君は自分の甥を徴兵し、さっそく木星に送り込もうとしていたそうではないか」キニスキー「私は直接甥から聞きました。ピネロン星に送還されそうになってた女を助けるためだったと。そんなことで国を危機にさらして……」

ビッツ「甥の件は国益上不問に伏すと、暗に言っておるのに」


ピネロン側は(略)ステーション内部の一部区画を間借りし(略)労働者が(略)ステーションをいわば宿泊施設として使っていたのだが、その中にピネロン星からの亡命希望者がひそかに隠れ住むこともあったという。

ソニカ「父は事故に巻き込まれる直前まで、ジュピター・ステーションにいる人たちのことをすごく気にかけてたのに」「ふつうのピネロン人よ。数十人はいる」

ニック「ホイヘンスはなぜか、<彼ら>全員の画像を要求してきているようです」ビッツ「ならこちらもその画像を使わせてもらおう。<彼ら>の存在を、ホイヘンスだけではなく一般のピネロン人にも知らせるのだ」

イモシ「なぜ連中の画像を求められたのです?!あのような者たちなどさっさと切り捨ててしまわれていれば、こんな事態にはならずに……」ホイヘンス「あそこにいたかもしれなかった」イモシ「???い、いったい誰をお探しだったんで?」


ピーター(一般民衆を人質に使うのか)

アデル「これはどういうことです?」ビッツ「交代したばかりの艦長が、まじめに動きすぎているようです」アデル「地上での拘束に続いて、今度は宇宙での盾ですか?これ以上地球人の誇りを地におとしめるのはやめなさいビッツ「たしかに、これは少々やりすぎだと私も思います。しかし今は地球を守ることが第一。正直手段など言っていられない。和平など考えられない今では、誇りでは命は救えない。ともかく援軍が送れるまで、現場にまかせるしかないのです」


彼(ニック)の脳裏には、狭いところに押し込められた人々の呻き、子供たちのわめき声、女性の絶叫……。(フラッシュバックというものか……?)

アデル「(艦長)はひとりだけ逃げだそうと?」ビッツ「いや……攻撃をやめさせようと、あわてて人質とともに交渉に向かったのかもしれませんが。しかしピネロン人たちのなかに、自分たちが再びピネロン側に、つまりホイヘンスに引きわたされるのを恐れた連中がいて……」

パイク「たとえ爆破したのが同胞だとわかってもよ、そもそもこんな状況をつくりだしたのは俺ら地球人だ。その事実は変わらない。恨みと不信はつのるだけよ。それが人間てもんだろう?」「戦争に正義もクソもねぇよ。民衆を……女子供を巻き込まない戦争も戦場も、ありゃしないんだからと」


ロペス「よくやってくれました君は地球を守ったんです。(略)できる限りの、いや膨大な命が守られたんです」ピーター「命……」そのぶん、別なところで奪ってしまったではないか

リンダ「おねえちゃまが、おねえちゃまが
聞くと、ソクラトンと自分が不在中、キニスキーが乱入し、ソニカを連れ去ったらしい。

ピーター(僕は母さんもソニカも守れなかった……)(僕は人を殺してしまった……たくさん殺してしまった……どこか楽しい感じがした……悪魔だ、悪魔だ、僕は悪魔だ)


>>>このページの最初に戻る


PDFファイル

第4章 スティッキィーの最期

2021/1/20初UP 2/8、12/3 → 最新更新日:2023/1/27


ホイヘンス「お前(=イモシ)はスピンに命じて、一刻も早く船や戦闘機の修復と建造を進めさせろ。そのための知恵を授けろ。それがわしの腹心たるお前の仕事だその間に、サップスたちを送り込んで、わが方からの大規模攻撃が可能になるまでにできるだけ地球を弱体化させる。それがサップス隊長たるゲルゴンの仕事だ」「あのいまいましい木星戦、あれでわが方はどれほどの損害をこうむったか。ともかく立て直しのためには、時間を稼がねばならない」

ゲルゴン「ステッキィーは、子供の頃よりわれが育てた一期生。そのうえ最も優秀なハッカーでもあります。失敗はさせませぬ」「われらは(略)あの過酷な内戦で親を失った子供たちの一部」「孤児たちは地下のいたるところに隠れ住んでおりました。子供が子供を育ててもおかしくない状況でした……」


ヤート(このまま死ぬのか……義姉さん……)(マリア義姉さん、会いたい……)

ホイヘンス「あれから数週間経つか……(略)わしに居所を知られたくないがために自分の体を傷つけるなど」イモシ「ホイヘンス様、いったい、誰をお探しなのです?その者とヤートとはどういう関係で?」


ピーターは、自分の叫び声で目覚めた。(略)(この悪夢からいつ解放されるのか……)(略)起きているときは忘れられても、寝ると悪夢にうなされる。

ソクラトンは中央ユーラシアの防衛隊本部へと向かったのだが、直後、今度はリンダが寝込んでしまった。ソニカを奪われた悲しみと、ピーターを看病しなくてはいけない不安と疲労で、すっかり消耗しきっていたのだ。

ベルタ「あなたたちの護衛としての特別任務を遂行するため、これから一緒に暮らします」「あたしはここに来るのに、上官のいるローレル島を寄ってきたの」リンダ「おねえちゃま(=ソニカ)はどうしてるの?!」ベルタ「鉛筆と紙と定規が欲しいって言うから渡したら、(略)一日中そんな楽譜を書いてる」


ピーター「フェリーでの大西洋縦断?」ベルタ「ビッツ総司令の奥さん(略)今回の戦争で身寄りがなくなった軍関係の子供たちを保護して、南米にある自分が運営する宿舎付きの学校に送り届けようとしてる。その子供たちの護衛を頼まれたってわけよ」

ピーター「どうしたんです?」ベルタ「護衛はあたしだけですって」「メディカルセンターにも侵入者があって、薬が奪われたそうなの。だからこちらに人員を送れなくなったって」ピーター「盗まれたのは何の薬なんです?」ベルタ「すべて被ばく治療用の治療薬」

ピーター「「弾薬……そんなものをこの船で運ぼうと?!子供たちがいるのになによりこれは軍用船じゃない、民間船ですよ


子供たち「ピネロン人だ」「パパを返して、ママを返してリンダ「違うのピーターも、あなたたちと同じなの。(略)地球人もピネロン人もハーフもないの。パパやママが死んだらみんな悲しいの(略)痛いことしたって、誰も戻ってこないのよパパもママも帰ってこないのよわたしの、パパもママも……」


突然、爆発音

フェリーの船長「軍曹、軍からの即時救助を要請して下さいこのままでは沈没する

ベルタ「あたしは人命救助を要請したはずキニスキー「人命を救うために来た。同胞を守る重要兵器を回収するために」ベルタ「子供たちはどうする気キニスキー「状況が変わった。優先順位がつけられた。最優先は迎撃兵器本体の回収」ベルタ「親が死んで後ろ盾がない子供たちだから、文句言われないからどうなってもいいと?」


サップスたちを地球に潜入させるルートをつくり、地球の最新兵器や軍事物資を海の藻屑とさせる。(略)そしてあらたな使命も……

遊星仮面「背中のは……被ばく用の薬か?」ステッキィー「そうだ、地球の爆弾で殺されかけたわが国の民を救うためのだ」

遊星仮面「この船には子供たちが乗っているんだ」「あの地球人の子供たちの親は、僕が殺したかもしれないからだ。それに、ピネロン人の子供たちの壮絶な痛みも、命を落とすことも、阻止できなかったからだ……だから絶対に阻止する君があの子たちを殺すことは、絶対に阻止する君を殺してでも絶対に

ステッキィー
あの子たちは……殺したくなかったのだ。これ以上の飢えと痛みが降りかかってくることは耐え難かった。だから殺さなかったのだ。
自分にとっての飢え……それは食べ物だけではなかったのではないか
(これでもう……乾くこともない、飢えることもない……痛みを、恐怖を感じることもない……)


子供たち「お兄ちゃん(=ピーター)の声、似てるね」「あたしたちを助けてくれた人よ」「黙っていようよ、おじちゃん(=ステッキィー)にも言われたじゃないか」

パイク「学校といっても軍事学校だよ、(略)保護者がいないことをいいことに、本人たちの意向も聞かずに(略)いずれは戦地に送りこまれることになるかもしれねぇなあ。そこまで戦争が長引けばだが、そうなると悪けりゃ捨てゴマにされかねないかも」