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「戦え!オスパー」。1965~1967年放映のTVアニメ。全編モノクロで全52話。
このページには、管理人のX(旧ツイッター)での記述から、以下の内容を転記しています。
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当時の作画の限界もあり、粗筋には、管理人(私)が想像し補完している部分もあります。
<メインキャラ等>
○オスパー:海底世界から来た超能力者
○ユミ:ヒロイン
○海津(長官):国際十字警察のトップ。ユミの兄
○ロバート/パンチョ/(名前わからない1人):海津の部下
○ドロメ:海底世界から来た超能力者。悪者
◎蝶:オスパーと縁がある?
◎パトロールジェット:海津専用?
―――
<粗筋-1>
イスラム建築も見えるある街。夜の闇の中、蛾の大群が飛びかい、通行人を襲う!
翌日、東南アジアの各地でおびただしい蛾が舞い、多数の死者が出たことがTVで報じられる。全滅に至った街もいくつかあったと…。
鱗粉に毒があるということなのか、蛾は毒蛾と断じられる。
<粗筋-2>
国際十字警察の海津は、被害を受けたある街に調査団を派遣する。
しかし彼らの乘った飛行機は、街の上空で蛾の群れに襲われ爆発。原因不明の事故として海津には伝えられる…。
毒蛾の群れは各地で被害をもたらしながら、東南アジアから北上を続け、中国にまで至る。
日本は警戒態勢に!
<粗筋-3>
海津は、最初の調査隊が向かった街に第2調査隊を送るが、何者かによって現地で皆殺しにされてしまう。
このことにより、自分達の行動を邪魔しようとしてる陰謀団の存在に、海津は気づく。
オスパーの力を借りないと解決できない事件だとして、彼が住む東京に、部下のロバートを向かわせる。
<粗筋-4>
オスパーはロバートから事情を聞き、共に車で空港に向かおうとしてたところ、ユミが血相を変えて駆け込んでくる。
ユミに連れられ向かった先には、群衆と、彼らに捕まり狭いカゴの中に押し込まれた1羽の蝶が。
オスパーとユミにとっての大切な蝶だ。2人はそれは蛾ではないと主張するが…。
<粗筋-5>
日本にまだ毒蛾は来ていない。しかし群集は怯え、少しでも怪しいものは駆除しようと。
だから蝶だと言われても納得しない!
やむなくオスパーは、事件解決までは閉じ込めておくと、蝶の入ったカゴに錠前をつけ、その鍵を群集の1人に渡す。
これで群集は納得し、漸くオスパーは蝶を取戻す。
<粗筋-6>
蝶をユミに預け、オスパーはロバートと共に民間機で東京を離れる。
しかしその飛行機には爆弾が仕掛けられてた。
オスパーはそれに気づき、飛行中、念力で爆弾を外して海に落とす。
そして無事、2つの調査団達が全滅した街に到着する。
到着した2人の姿を、ドロメと彼の部下達は見ていた。
<粗筋-7>
ドロメは、毒蛾による東京襲撃を中止し、代わりにオスパー達を毒蛾に襲わせようとする。
毒蛾達は、「誘導毒蛾」という電磁波を送受する特殊な毒蛾達に操られてた。
「誘導毒蛾」を作り、それを操ってたのは、ヒトリ博士という科学者。
(※注)ここいらの状況がよくわからないのだが…)
(毒蛾と「誘導毒蛾」とは別モノ? なら毒蛾はそもそも自然界にいたモノ? そのあたりの状況がよくわからない…。
さらに「誘導毒蛾」を作る工程がよくわからない。映像のどこで電磁波送受の力を備えさせるのかが、よくわからない。
ヒトリ博士は35年もかけて「誘導毒蛾」を作ったというのだが…)
<粗筋-8>
夜。オスパーとロバートはホテルに入る。
中は真っ暗。毒蛾の襲来を防ぐ為と支配人は言う。
せっかくの豪華なシャンデリアを見てもらえないのは残念とも語るが、これは嘘。透視力をもつオスパーは騙せない。
そんな折、客室の照明を付けてほしいと、ボーイが2階からフロントに降りてくる。
<粗筋-9>
客が落とし物を探したいのだと。
だが照明を付けると毒蛾が来る。そこでオスパーは、自分が探すと買って出る。
――それは罠だった。
オスパーが客室に入ると、鍵がかけられ、照明を付けられてしまう!
彼が透視力でドア向こうを見ると、ドロメと彼の部下達、更に彼らに捕まったロバートが。
<粗筋-10>
ドロメとオスパーは透視力で互いを確認。テレパシーでドロメはオスパーを威嚇。
やがて客室の窓を壊して、外から毒蛾達が入り込んでくる。
オスパーが念力で追い払おうとするが効かず。
それどころか謎のダメージが!
「誘導毒蛾の放射する電磁波がお前の精神を乱してるんだ」とドロメ。
<粗筋-11>
やがて客室に入ったドロメは、毒蛾の毒にやられ倒れたオスパーを確認。彼がまだ生きてることを承知した上で、ロバートを解放するよう部下達に命じる。
あえて国際十字警察に助けを呼ばせる為に。
オスパーを囮に彼らをおびき寄せてやっつけ、世界を手に入れることがドロメ達の目的だった。
<粗筋-12>
オスパーは車のトランクに入れられ、別の場所へと移動させられる。
ホテルに残されたロバートは、持ち歩いてた超短波無線機で海津に連絡。しかしドロメの罠を知ってる故に助けは呼べず、何とかオスパー救出方法を探ろうと…。
そんな時「蝶を自由に」とのオスパーからのテレパシーが届く。
<粗筋-13>
監禁した蝶を自由にしろとのメッセージ?
そう解され、ユミが保護してる蝶のカゴに付けられた錠前を、海津は銃で破壊。
「その蝶はきっとオスパーからのテレパシーによる通信を受けてるに違いない。早く蝶が何をするのかそれを見るんだよ」
すると蝶は地球儀に飛び、ヒマラヤ部分に止まる。
<粗筋-14>
ユミは思い出す、ヒマラヤは地球上で一番蝶が多い地だとかつてロバートが言ってたことを。
そこで海津は、部下2人(パンチョともう1人)と、オスパーの蝶を扱い慣れてたユミを連れ、パトロールジェットに乗ってヒマラヤへ。
花畑でユミは蝶を放つ。「さあ早く何をするか教えてちょうだい」
<粗筋-15>
すると蝶は多くの仲間達を引き寄せ、パトロールジェット内に乗り込んでいく。
そこで、出発!
機内には沢山の蝶達が。その状態のまま、パトロールジェットはオスパー達のいる街の上空へと。
しかし「夜を待て」とのオスパーからのテレパシーを受けたロバートは、一旦引き返すよう伝える。
<粗筋-16>
パトロールジェットの動きを見て、ロバートがオスパーと連絡を取っていることにドロメは気づく。
ロバートを逃がすべきじゃなかった――と気づくが、もう遅い。
だったらオスパーを完全にやっつけるべきだと、そのためには夜再び毒蛾に襲わせることだと、ヒトリ博士は提案する。
<粗筋-17>
オスパーは、ドロメ達のアジトの一室に監禁されてた。
意識は取り戻していたが、体を縛るゴム紐を切ることができずにいた。
その部屋に夜、電灯が付けられる。
毒蛾達を呼び寄せる為と察したオスパーは、念力で電灯を破壊しようとするが、それを見越したドロメが妨害波を送り、阻止する。
<粗筋-18>
毒蛾達侵入!――の直前に、パトロールジェットが到着。蝶達が放たれる。
すると、なんと蝶達は、毒蛾達を誘導し始める。
オスパーの蝶は仲間達と共に、ヒトリ博士が作った「誘導毒蛾」よりも強い誘導波を放つ「誘導チョウチョ」となっていたのだ!
この事態に激怒するドロメ。
(ここいらへんもよくわからない。
オスパーの蝶は、どうやって仲間達に電磁波送受の力を授けた?
また、ヒトリ博士は「本物の「誘導チョウチョ」が現れた!」などとわめきまわるが、その知識って……何?)
<粗筋-19>
やがて誘導チョウチョに誘導され、誘導毒蛾達はヒトリ博士達を襲うが、博士が気を失うと毒蛾達はなぜか動きを止める(??)
企みが全て失敗に終わったドロメは、部下達を置いてひとり逃走。そればかりか彼らがいるのにアジトを破壊!
衝撃で拘束紐が切れたオスパーは、何とか脱出に成功する。
<粗筋-20>
そしてオスパ―は、無事ユミや海津や蝶と再会する。
(毒蛾達がその後どうなったのか、蝶達がふるさとのヒマラヤに戻されたのかどうかは全くわからないままだが)
――完
―――
<感想>
粗筋の中でちょこちょこ書いているが、毒蛾や誘導毒蛾や誘導チョウチョといったものの定義や行動様式がよくわからない。
(注)オスパーの蝶の素性も不明だし…。
一方で、人間達の行動には矛盾が少ない。
物語は、ギャグで散らされたり不自然に省略されることなく、結構理路整然と進んでいってる。
ドロメに解放されたロバートが海津に連絡をとった超短波受信機も唐突に出てきたものではないし、ウソのシャンデリアの話もオスパーの次の行動へとつなげるものになっている。
群集のパニックも、納得できる現象だ。
つまり脚本が、今のレベルから見ても、良くできているのだ!
また、オスパーがスーパーヒーローではなく、国際十字警察の有能な要員といった位置づけなのも、当時としては斬新かも。
彼が今回の物語でBGM付きで活躍しているのは、問題解決や敵を倒すといったところではなく、自分の脱出シーンなのもなんか斬新ww
―――
<ちょっと雑談>
イケメンの海津長官。昔のWikiでは、ちゃんと「ユミの兄」となっていたのに、2022/10段階では「ユミの父」と。なんでや?!
それに昔のWikiでは、レギュラーキャラのパンチョの説明もあったはずなのに、今では消えている。なんでや?!
国際十字警察。
赤十字と赤新月の例にもあるように、リメイクするなら世界情勢に鑑み、「国際新月警察」も作らないといけないはず。
―――
(略)
<総括>
予想以上に脚本がしっかりした作品だった。
絵も、今から見ればかもしれないが、それでも私は気にはならなかった。
『戦え!オスパー』は、埋もれさせてはいけない作品だと再確認させるものでもある。
今後ぜひとも、発掘してほしい!
『戦え!オスパー』毒蛾の大群 より。
パンチョといっしょにいたツンデレおじさんは、グレコというお名前なんですね~。https://x.com/video_vhs/status/1694708236434448817
2023/8/25
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詳細についてはこちらを。
「幻のアニメ製作会社 日本放送映画の世界」:(略)
老眼鏡+ハズキルーペ の装備で、一気に読破した。
感想はこの順番で→
(1)総論
(2)『冒険少年シャダー』について
(3)『戦え!オスパー』「人形のなみだ」からわかること(略)
(1)総論
ともかく取材が綿密!
さらに――
わからないことのはわからない、中途半端は中途半端なままとし、様々なケースを想定しうる形に。
正直に事象を羅列し、言い切っていない。 冗長になっても、わかり易くまとめていない。
――そういう点から、とても信用できる第一級の資料となっているのだ!
リアルタイム視聴層でない方が作っておられることのメリット――思い入れが無く、こだわりなく、ごく客観的!
僅かな人しか読めないのがとても惜しい。今後のご活動にも期待が!
ただ惜しいことに、字が小さすぎ、私のような高齢者にとっては読むのがキツイ。
ただこれは仕方ないことだと理解している。
(略)補足なのだが……
「わかり易くまとめていない」とは賞賛の言葉。
記録において「わかり易く」してしまうと、ウソや誤りが混じる危険と隣り合わせになってしまう。
(2)『冒険少年シャダー』について:
私の記憶にあるシャダーと、公式のシャダーとがあまりに乖離していた謎が解けた。
「ピンボケ」「キャッ太」なんてギャグキャラがいるような作風じゃなかったはずなのに……と、ずっと困惑・混乱してきていたのだ。
途中で作風が変わったことを、今回初めて知った。
私の記憶にあったのは、第26話「恐怖のレムリア」だと判明。
シャダーは、髪で顔を半分覆った少女を疑い続けるが、彼女は誠実で、森を抜ければ元の世界に戻れると告げて去る。
しかし再会した母親からは、鏡を割れば元の世界に戻れると…。
「はぁ?」と当時感じた部分だ。記憶はあってるだろうか?
(3)『戦え!オスパー』「人形のなみだ」からわかること:
「毒蛾の大群」同様、ギャグで散らされたり不自然に省略されたりすることなく、話は結構理路整然と進む。
人魚/オスパー/ドロメが仲良く戯れるシーンはごく唐突で不自然な感はするが、結果的にそうなる心理状態というものはありえるため…。
丁寧にそうなる過程を演出していけばよいと思う。所詮彼らは同胞だからね。
ところで……後天的に水中で呼吸できるようになった、人魚と呼ばれる女性。白土三平『忍者武芸帳』の岩魚を連想する。
〔15海中〕のシーンでは、彼女が引きずり込んだ女性の苦しみが私の意識に突き刺さった。怖かった…。
揺れ動くその心理は人間にも理解できるものであろうとも、人魚となった女は、人間の価値観では動かない。
ドロメは彼女を仲間にしたかった。利用しようとの意図はなかったものの、救うつもりもなかった。
オスパーは、どうしたらよかったのか?!
後味の悪い話が多かったとの証言をブログなどで見るが、まさに「人形のなみだ」もそのようなものだと。
「毒蛾の大群」に続く今回の話からも、『戦え!オスパー』は、当時の一連の作品群とは異なる、独自の域を極めていた感が。
映像が発見されてほしいと、心から思う!