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『チ。―地球の運動について―』。「禁じられた真理」を探求する人々を描いた一大叙事詩。(←公式HPより。)
このページには、TVアニメ版の感想を記した、2025年2月25日以降のX(旧ツイッター)上での記述を転記しています。
それらを時系列に並べ、適当なところで区切り、下記のように並べてみました。
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略する場合は(略)と記載。あからさまな誤字脱字は訂正。URLはほぼ削除か該当するページ名に変更。それ以外では原則原文を記載。(重要箇所にはリンクや太字や色づけなどの処理も。)
『チ。-地球の運動について-』22話:
仲間達の犠牲もありアントニの元に辿り着けたドゥラカは、地動説本の出版を勧める。必ず儲かると。
実は地動説を異端とし迫害対象としたのはアントニの父以降のこと。
父を嫌う?アントニはその話に乗り、追ってきたノヴァクは自身のこれまでの人生を全否定される。2025/2/25
<仲間達と>
ドゥラカ:何者か知れない自分を逃す為死ぬことに。これで良かったのか?
レヴァンドフスキ「仕事だ。いいも悪いもない」
ドゥラカ:私達が皆知るヨレンタさんは私の価値観と未来を肯定してくれた。貴方達にとっても彼女は恐らくそうだったから今ここにいる。だから「私も仕事します」2025/2/25
<ドゥラカとシュミット>
朝日が苦手なドゥラカにシュミットは語る。
いつか君が朝日に微笑む日が来るのを願う。私なりの君への感謝から、私の朝日への感動を君に伝えたい。
ドゥラカ:なぜ私に伝えたい?
シュミット:おそらく私と君が偶然出会ったから。(←これと同じことをヨレンタも言ってた)2025/2/25
<シュミットの恐怖と覚悟>
ノヴァクと騎士団は夜襲撃。
レヴァンドフスキ達が囮となりドゥラカとシュミットは逃げる。
ノヴァクは自分の「仕事」として、部下を数人連れ2人を追う。
逃げながらシュミットはドゥラカに語る、今初めて怖いと。 神の意思からでなく、自らの意思で進んでることに。2025/2/25
シュミットはドゥラカを逃がし、追っ手に立ち向かう。
今までのような信仰上の理由からではなく、現世での出版実現と自己防衛が目的での殺しだと、自らを納得させて。
結局ノヴァクに刺される。
惨めな運命だとの侮りに対し、これは自分が選んだ運命だと呟き息絶える。(彼なりに納得し悔いはなかった)2025/2/25
<ドゥラカとアントニ>
ドゥラカが辿り着いたのは、18話で出会った司教アントニが住む教会。
彼女の聡明さを知っているアントニは、夜間にもかかわらず、「未来」(儲け話)を持ってきたという彼女を迎え入れる。
ここからドゥラカの命をかけた交渉がはじまる。2025/2/25
ドゥラカ
「今や市民は宗教ではなく娯楽を欲している。大道芸から処刑に至るまで貪る様に群がる彼らの熱気を知ってるでしょ?みんな刺激に飢えてます。そこで本です」
「文字は思考に直接届く表現だ。市民にも読みやすくすればきっと病みつきになる。時間も場所も選ばないから便利だし…」2025/2/25
ドゥラカ
「活版印刷を用いた本の複製は安価で、しかも恐ろしく手軽だ。もし火が付けば莫大な利益が生まれる」
「そこで貴方に是非協力してほしい。印刷機の使用と本の発行許可を貰いたいんです」損はさせないと。
ではその本の内容は?とのアントニの問いに、自然に対するある仮説「地動説」と。2025/2/25
ドゥラカ「考えてみて下さい。歴史上地動説が弾圧された前例を聞いたことがありますか?果たしてこの説は本当に異端なのですか?」
アント二はハッとなる。「確かによそで弾圧の話は聞いたことがない」
ドゥラカ「やっぱり!」
(※ここでドゥラカが移動民族 という設定が生きる。外の世界を知ってる!)2025/2/25
ドゥラカは続ける。
宇宙論は神の創造に抵触しかねないが必ずしも禁止されるべきものではなく、危うい内容なだけに刺激的だと。
アントニ
「要するに君の考えでは地動説が異端かどうかは時の権力者の裁量によっていくらでも変わるという訳か」だったら「私は風向き次第ではいくらでも君を切る」2025/2/25
そして、一気に分け前の話に。
ドゥラカは5対5と提案するが、アントニ提案の8対2で交渉成立!
さらにドゥラカは、アントニ所有の伝書バトを借りてヨレンタから頼まれた手紙を出せることに。
そんな中ノヴァクが乗り込んでくる!
彼がアントニと会うのは25年ぶり。一緒にいたドゥラカを異端だとなじる。2025/2/25
<ノヴァクとアントニ>
アントニはノヴァクに問う、地動説の何が問題か?
ノヴァクは明確に答えられず、アントニからは「人を異端と呼び拷問し殺すなら、その理由に正統性があるのか位は自分で調べろ。行動に責任を持て」と。
なら聖書に根拠がと。しかし大したことは書かれていないとアントニ。2025/2/25
アントニ:地動説なんて単に1つの仮説。
「万に1つ大地が実際に動いてるとしても、その前提で聖書を読み直し、再解釈に努めるのが我々の役目」
「新しい意見や発見を拒絶するのではなく、検討してより聖書への理解を深める。そういう姿勢が今信仰に最も必要」2025/2/25
アントニ「それに寧ろ太陽が中心であるという地動説の考えは三位一体の自然学的な裏付けとも捉えられる。これは神学的にも神を讃える素晴らしい気づきかも」
だがそもそも貴方の父が地動説を異端としてたではないかとノヴァク。
それは恐らく天文学を学んでた彼の個人的事情によるとアントニ。2025/2/25
アントニは語る。
宇宙論に特別厳しい権力者(自分の父)の管轄内で運悪く地動説を研究してた者達(ポトツキ含)が異端者の烙印を押されたことで「地動説」は禁忌に。
それに伴い生じる汚れ仕事は、通常の修道会出身の異端審問官ではなく外部の、つまり傭兵上がりのノヴァクに委託されたんだろうと。2025/2/25
地動説への弾圧は、一部の者によるただの勘違いだったと…。
勘違いだと!
ノヴァクは、フベルト/ラファウ/オクジー/バデーニの名をあげ、絶叫する。
自分が勘違いで彼らを殺したと?! それに自分の娘も…。
記録は残ってる筈とノヴァクは言うが、アントニはそれらを処分するよう既に指示してた。2025/2/25
そもそもノヴァクが関与した宇宙論関係での処刑は、公開処刑となる通常のものとは違い、夜間非公開で行われてた。実は資料が残ってるかどうかも怪しいと。
ノヴァクは絶望する。「本当に本当に私だけなのか?地動説と迫害を実行したのは?この世で私だけ?」
アントニ「あぁ。私の知る限り」2025/2/25
アントニ:
他の場所、或いは他の時代に生まれていれば、様々な可能性があったかもしれないことも、実際にはそうはならない。
「それが運命というものだ。気の毒だが受け入れるしかないだろう。君や君が担当した異端者達。君らは歴史の登場人物じゃない」
……次回。2025/2/25
<アントニの事情>
聖職者の息子という当時ではありえない出自が、彼の心を苛んでた?
だからか、父を出し抜こうとする権力欲も、父の子飼いだったノヴァクへの反感も、強かった。
父への反発が、俗性の強さと、考えの柔軟性をもたらせた?
父が嫌悪した地動説をすんなり受け入れてもおかしくはない。2025/2/25
――以上、『チ。-地球の運動について-』22話:
価値観と世界観のどんでん返し!
これによって「社会や価値観は、時の権力者の裁量によっていくらでも変わりうる」という極めて現代的なテーマが加わること。(今の露や米!)
ラファウ/バデーニ/オクジー/ヨレンタの死は何だったんだろうかとの虚無感も…。2025/2/25
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『チ。-地球の運動について-』23話:
アントニに人生を全否定されたノヴァクは、娘ヨレンタの仇でもある彼を殺し、ドゥラカにも手をかけるが反撃され共に致命傷→共に死ぬ。
死の前、ノヴァクはラファウの幻と会話後、娘の本当の最期を察し、ドゥラカは朝日を見、感動が絶望を打ち消す。
そして新章へ。2025/3/5
<ドゥラカの近代思考をノヴァクは理解できない>
「地動説」は異端ではない。だから関連本を出すとアントニ。
これに対し、異端と信じ壊滅に尽力してきたこれまでの人生を全否定されたノヴァクは反発。
――あんたはいつも金だった。今回も。傍にいる異端の女(ドゥラカ)に唆されたからなんだろうと。2025/3/5
ドゥラカは答える。時代は「金」の時代に向かっている。それに一足先に入るだけだと。2025/3/5
※
ドゥラカが言う「金」と、アントニが執着する金とは、根本的に異なる。
彼女のは、「神ナシ」で考えた場合の1つの大きな価値基準――現在の価値基準と同じものだと思う。
しかしそのことは、形を持った神や信仰を絶対優位とするノヴァクの思考には全く届かない。
それは次からの彼の台詞で明らかに。2025/3/5
ノヴァク
「知性や技術が進歩した先(略)文明や理性の名の下では、神の名の下とは比べ物にならない規模の大虐殺が起こせる」「神を失ったら人は迷い続ける」
ドゥラカ
「(ヨレンタの言葉を引用し)きっと迷いの中に倫理がある」「貴方の言う通り次に来るのは大量死の時代かもしれない。でも…」2025/3/5
ドゥラカ
「でもその死(大量死)の責任は神じゃなくて人が引き受ける。だからそこにはきっと罪と救いじゃなく、反省と自立がある。
そうやって苦しみを味わった知性は、いずれ十分迷うことのできる知性になる。暴走した文明に歯止めをかけて、異常な技術も乗りこなせる知性になる」2025/3/5
ドゥラカ
「神ナシの世界で考えろって(←叔父ドゥルーヴの言葉)。私はそれで道が開けるって信じたい」
「貴方は最も重要なことを忘れてる。きっと社会から神が消えても、人の魂から神は消せない」
――ノヴァクは完全に思考停止状態に。
そして、自らが仕掛けた破壊工作を告白し、アントニを殺す。2025/3/5
結局、ドゥラカとノヴァクは全く分かり合えず、ノヴァクはドゥラカを短剣で刺し、ドゥラカはその刃を体から引き抜いてノヴァクを刺す。
ドゥラカは大ケガを負ったまま、アントニの伝書鳩を入れた籠を持って、火に包まれた教会から脱する。2025/3/5
※
ノヴァクは今までは、首を刺し相手をほぼ即死に至らせてたが、ドゥラカの場合腹を。
彼女はヨレンタの頭巾を着ていた。火に照らされ明らかになったその形状を見て、無意識的に彼の行動に何らかの変化が?
しかしそのことは残酷にも、登場人物中最悪の死の苦痛を僅か10代の少女に与えることに…。2025/3/5
<ノヴァクとラファウ>
火に包まれる教会の中で瀕死状態のノヴァクの前にラファウが現れる。貴方の作り出した幻だと言って。
ノヴァク「(私も含め)何人もが君の石箱に人生を狂わされた」
そして、元々ラファウが持ってたネックレスを返すと。
ラファウは、それはもう自分だけのものではないと。2025/3/5
ノヴァク:
地動説は異端ではなく「私はこの物語の悪役だったんだ」
ラファウ
「確かに僕らは敵対した関係でしたね。この世には様々な人がいる。正直者も嘘つきも、情けない奴も勇敢な奴も。更に驚きなのが、1人の人間にその全ての要素が入ってることもあるし、それらが日々変化したりもする」2025/3/5
ラファウ
「こんなに大勢いるのに誰1人同じ人はいない。そりゃあ、争いは絶えないでしょう。でも(略)過去や未来、長い時間を隔てた後の彼らから見れば、今いる僕らは所詮、皆おしなべて15世紀の人だ。僕らは気づいたらこの時代にいた。別の時代でもよかったのにこの時代だった」2025/3/5
ラファウ
「それは、ただの偶然に過ぎないけど、奇跡的であり運命的なことだ」「だから(略)こう信じたい。今たまたまここに生きた全員はたとえ殺し合うほど憎んでも、同じ時代を作った仲間な気がする」
ネックレスも、フベルト→ラファウ→異端者→グラス→オクジー→バデーニ→ノヴァクへ!2025/3/5
ラファウのあたたかい言葉に接し、ノヴァクは初めて彼に対する自分の罪の意識を告白する。
「あの時、君の選択を見て気の毒に思った。死を選ぶな。自分の信念や他人の信仰に殺されるには若すぎる」「その感情(=心の痛み)を面倒くさがって無視したんだ。だからやっぱり私は、悪役なんだ」2025/3/5
最後、ノヴァクは「私の娘は天国に行けたのか?」と尋ねるが、答えることなくラファウは去る…。
※
このラファウ、彼のことを考え続けてきたノヴァクが生み出したものなのだろうが、それにしてはノヴァクに依存していない部分があまりに多い。
幽霊ではないか、との説もある。2025/3/5
<ノヴァクは娘ヨレンタのためだけに>
ノヴァクは、自爆した組織長の右手をずっと持ってた。
漸く確認する覚悟ができたのか、右手にヨレンタの手袋(25年間離さず持ってた!)をはめる。
するとぴったり!
「そうか、お前も見つけたんだな。そのために地獄に堕ちたっていいと思えるものを」2025/3/5
ノヴァク
「神様、神様、娘の過ちは全て私の勘違いが原因なのです。全て私の過ちなのです。地動説があなたに反するものでないなら、どうか、どうか、どうか、どうか、子供(むすめ)は天国へ。天国へ」
娘の手を握りしめたまま、ノヴァクは逝く…。2025/3/5
※
ノヴァクが、組織長の手がヨレンタの手と気づいたのかどうかについては様々な意見が。
私は、気づいたと思う。理由は→
(1)やっぱアントニは信用できないと思った
(2)自爆の時見た強烈映像
(3)ドゥラカの着てた頭巾
(4)宗教上自殺が許されない中での自殺(=過ち)だからこそ天国にと切に…。2025/3/5
<ドゥラカ、朝日を見れずに死んだシュミットの代わりに朝日を浴びる>
ドゥラカは、まわりに何もない見晴らしのいい小高い平原に辿り着き、日の出前に、アントニの伝書鳩にヨレンタから託された手紙を持たせ、放つ。
傷は深く、出血は激しく、「コレ…死ぬな…」2025/3/5
ドゥラカ
「間違えた。死んだら全部終わりだ。神も死後もないんだ。稼いだ金も、覚えた知識も、見えた未来も、全てムダだ。こんな所で終わりなんだ。私の人生は一体何の為に」
そこに朝日が降り注ぐ。
シュミットが願った<参照ポスト(旧ツイート)へ サイト内転記済>通り、子供の時感じた感動の通り、歓喜の中瞼を閉じる。2025/3/5
<新章開始!場所も時代も明確に>
1468年、ポーランド王国のある都市部。パン屋につとめる青年アルベルトが主人公。
店を繁盛させてくれた礼にと、店主は大学に行けと言うが、本人拒否。
どういう過去があったのか、学問も好奇心も否定するという、今までの登場人物とは真逆の人物である。2025/3/5
――以上『チ。-地球の運動について-』23話:
レヴァンドフスキ達はどうなった?結局ヨレンタの名を記した本は消失?
22話で感じた虚無感→<参照ポスト(旧ツイート)へ サイト内転記済>は、ラファウの「同じ時代を作った仲間」との言葉で救われた感が。
歴史の登場人物ではなくても、歴史を作った名もなき人々だ。2025/3/5
ノヴァクとヨレンタとの絆が一貫して「手」を通じて描かれる。
(こういう父娘の物語を、20代の人間が描いたとは、驚きである!)
ただノヴァクは、結局自分のことしか見えていなかった。
じつは私自身、ノヴァクに対しては、感動よりも怒りの感情の方が強い。2025/3/5
ラファウのような子供の死が辛かったのなら、なんで子供に近いドゥラカを平然と刺したのか!
娘のような女の子を、即死にならない苦しみぬく形で!
私的には許せない思い。
あれほどの人材を、若い女性の未来を、奪った怒りは強い!
一方でこの2人の会話からは、現在にも通じる深い内容が。2025/3/5
ノヴァク「文明や理性の名の下では、神の名の下とは比べ物にならない規模の大虐殺が起こせる」
ドゥラカ「苦しみを味わった知性は、いずれ十分迷うことのできる知性に。暴走した文明に歯止めをかけて、異常な技術も乗りこなせる知性に」
最近のリアル世界情勢はノヴァクの意見の方が優勢化している…。2025/3/5
改めて『チ。-地球の運動について-』23話:
私が最も感銘したのは、「社会から神が消えても、人の魂から神は消せない」――ドゥラカの台詞である。
リアル世界で、国を奪われた民族、奪われそうになっている民族の、心の盾であるようにすら感じる。2025/3/5