遊星仮面ファンサイト〔付録〕

TVアニメ「どろろ」(2019年度版)について(1)


*パソコンからご覧の場合は押しても変化しません*


漫画『どろろ』は、手塚治虫氏の代表作のひとつ。それを原作にした1969年版のTVアニメ『どろろ』は、不遇な経緯をたどりながらも、今ではアニメ史に残る傑作として認定されています。

それから半世紀がたった2019年に、再びTVアニメが制作。

このページに記しているのは、この新作を中心に『どろろ』について私がX(旧ツイッター)上に記した感想です。


このページに掲示しているのは、2019年1月14日からの内容です。

それらを時系列に並べ、適当なところで区切り、下記のように並べてみました。

クリックすると、このページ内の記述箇所に移動します。

    以上、2018年5月6日までの内容

    略する場合は(略)と記載。あからさまな誤字脱字は訂正。URLはほぼ削除か該当するページ名に変更。それ以外では原則原文を記載。(重要箇所にはリンクや太字や色づけなどの処理も。)


    <2019/1/14~>

    • 『どろろ』1話:
      原作漫画も1969年のアニメ第1作も、大傑作。プレッシャーを受けての新作制作だとは思う。
      1話を見る限り、全体の構成も演出も、脚本も、絵も作画も、音楽も、すべてが合格点だった。
      特に構成。この作品に初めて接する人が、作品の全体像をなんとなく理解できるものになっていた。2019/1/14

    • 新作だから完全別モノでいいのだ。それで評価していく…。
      キャラとしては、どろろが、年相応のあどけなさとかわいさがあって、とてもイイ。
      私的には、BGMに琵琶と尺八が使われていたのが、うれしい!2019/1/14

    ―――

    • 『どろろ』2話:
      ’69年版にあった、百鬼丸が村人から化け物扱いされるシーンはない。代わりに、五感を閉ざされた百鬼丸の内面世界を、盲目の琵琶丸が解読し、魂の本質を語るのだ。どろろの存在意義もこの回でわかるし…。
      全体構成が秀逸で、原作知らない人にもわかり易い。大河ドラマ的とも言える 2019/1/21

    • 『どろろ』という作品は、百鬼丸の物語だけで事足りながらも、どろろがいないとダメだということを、今回2話にて知ることができた。
      ともかく平成版の彼女、絵も声も可愛くて魅力的!
      こういう、生きる力に満ちた、それでいて真っ白い魂のキャンバスの上にあってこそ、百鬼丸の魂の遍歴が冴えるのだ 2019/1/21

    • どろろは女の子だからね~。小さくても、母なるものは持っている。2019/1/21

    • 追加 『どろろ』2話(1話もだけど):
      あやかしより鬼神より化け物より、人間の方がおそろしくて複雑。
      そういう点では、今期の『鬼太郎』と同じだなぁ~。2019/1/21

    ―――

    • 新作アニメ『どろろ』が大好評だ…。
      1969年版の前作も、今の10代20代でも、目が肥えた人になら傑作とわかるはず。そう確信してる…。
      しかし若い人には信じられないかもしれないが、この1969年版、長い間封印されてたのた。映像を見ることができなかったのだ。差別的な言葉を多用してるからとして…2019/1/25

    • 確かに言葉は大切ではある。しかしそれ以上に、使われ方や、使われている意図や意味の方が重要なはず…。
      『どろろ』に差別性など無く、差別とは全く真逆な内容であることなど、実際に作品を見てみればわかることだったのに…。2019/1/25

    • 1980年代には、アニメの『どろろ』は封印状態だった。手塚治虫氏の大ファンであった知り合いは「見たいのに見れない!」とひどく嘆いていた…。
      そういう時代から考えると、今は本当に夢のようである。2019/1/25


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    <2019/1/27~>

    • 『どろろ』3話:
      自分の内面以外と接するための手段を奪われては、深い思考も発生しないかもしれない。しかし生きる為の知恵と武力、それに何より無償の愛を与えられたことが、百鬼丸には大切な糧になっただろうことが暗示させられる回である。
      無償なる愛は、実の親から与えられるだけではないのだ。2019/1/27

    • 百鬼丸に無償の愛を与えたのは医師の寿海。血塗られた経緯と贖罪の思いが、原作を越えた形で描かれてる。
      どろろも彼に無償の愛を与える位置づけだ。
      対し百鬼丸の弟の多宝丸。父に愛されながらも、どこか有償なものを感じ取ってるのか、無償の愛(母の愛)を欲しながらも完全には得られない枯渇感が。 2019/1/27

    • 子供はね~、親の愛をつなぎとめるために無意識に演技もしてしまうのよ~。
      父親の期待に沿うようにふるまう感覚を、多宝丸に感じてしまう。2019/1/27

    • その多宝丸と百鬼丸の父親の景光。彼を今回の新作でどう描くのかは、私の関心事の1つである。
      今まで見たところでは、野心家で、子を売った非道な親ではあるが、その見返りに領地と領民に平和と平穏をもたらせた。
      平和は血塗られたものの隣にあり、多大な犠牲の上に成り立つとの今風の意味合いもある。2019/1/27

    • そして百鬼丸。「痛み」がないから他者の「痛み」を感じれないのではと寿海が心配してたが、その感覚を取り戻したことで、今後どういうドラマが展開されるのだろうか?
      前作では、どろろと百鬼丸の2人を中心に社会矛盾を追及した物語が描かれてたが、今回はそれぞれの人間ドラマから社会を描くのか?2019/1/27

    • こういう事実も興味深い。(注)https://x.com/namasutenohito/status/1087384256236552193左のリンク先は外部サイト2019/1/27

    ―――

    • 『どろろ』4話:
      R-15ぐらいかもしれないが、全体的には大変良質な文芸作品といった趣。
      練りに練られ最小限に切り落とされたストーリー展開と台詞、計算されつくした画面展開が素晴らしい!
      原作漫画と違う?前アニメと違う?それでいいではないか、別物なのだから。
      作品の完成度の高さこそ評価に。2019/2/4

    • 少ない絵と台詞で(絵は色を調整しながら)戦の残酷さや空しさを描いてる。人間の本質も、百鬼丸が見る炎の色で…。
      兄妹の断ち切れない絆や、百鬼丸とどろろとの深まる絆も丁寧に描かれてる。
      兄妹の絆は、鶴の折り紙にも表され…。
      間の取り方や、BGM効果、想像に任せようとする省略手法も秀逸。2019/2/4

    • 『どろろ』4話:
      百鬼丸は聴覚を取り戻す。
      多くの人が指摘してるのは、彼が初めて聞いたのが雨の音と、殺した男の妹の泣き声だったという残酷さ…。
      ただ、脳が処理しないと何を聞いてるかはわからない筈。最後のぼやっとした顔は、まだ脳が情報を処理しきれてない?
      それが今後どうなっていくのか。2019/2/4

    ――――――

    (注)高橋信也氏(75)、杉野昭夫氏(74)、羽根章悦氏(78)(年齢は記述年現在)といった、ベテランアニメーターさんの名前がEDに記載されていたことを記したポスト(旧ツイート)です。


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    <2019/2/9~>

    • 現在放映中の新作アニメ『どろろ』は、だいぶアレンジをきかせてはいるが、手塚治虫の魂を引き継ぎ(今のところ)傑作!(略)2019/2/8

    • 『どろろ』5話:
      聴力を取り戻しても、処理能力が追いつかず、音は全て雑音化し百鬼丸を苦しめる。
      しかし彼の心に届く音があった。「みお」という少女の声と歌声。
      真っ白い魂のその少女は、戦争孤児達を養う為に身を売ってた…。
      一方百鬼丸は鬼神と戦い、足を失い激痛に叫ぶ。声を取り戻したのだ。2019/2/11

    • 第4話の感想の際にも書いたが、この作品、凄くレベルが高い!
      練りに練られ最小限に切り落とされた台詞。計算されつくした画面展開。行き届いた演出…。
      今回の話では、みおと百鬼丸とのやりとりが非常に細やかで丁寧だ。
      みおの感情は、最小限のカットで表現。体売ってる際の感情も、口元だけで表現。2019/2/11

    • 今回の『どろろ』。口元の表現が豊かだ。みおにアピールする百鬼丸もだが、なんといってもどろろちゃん。
      彼女の可愛さは、声と、あの口元(と歯の並び)によるところが大きい。2019/2/11

    • (略)録画するのは週初めだが、実際に見るのは週末。その間に他の人の感想を読んでみたりするのだが……そこで想像してたのと実際に見てのギャップは、私的には結構大きい。想像以上に見事にそぎ落とされてる。
      それだけ脚本や演出がすぐれてるのだ。2019/2/11

    • 『どろろ』の6話が予想通り凄かったようだ(略)
      この心の悲しみは、『どろろ』6話の感想、というか、リアルタイムで上がってくる阿鼻叫喚ツイート(現ポスト)を見てたことも、影響してるのかもしれないなぁ。2019/2/12

    • 今週(先週)のアニメ、全部見た。(略)やはり『どろろ』はぶっちぎりのクオリティ。(略)2019/2/17

    ―――

    • 『どろろ』6話:
      鬼神達に体を奪われ、鬼の片鱗も埋め込まれた百鬼丸。彼は、自らの体に起きたことが本能的に理解できてるのか、常に奪い返そうと勇む。
      みおも、戦で奪われたものを取り戻そうと…。しかし彼女は殺され、愛する者への非道を知った百鬼丸は鬼の本能を見せ…。
      彼を制止したのはどろろ。2019/2/18

    • 百鬼丸は5話で声を取り戻すが、聴覚に慣れないこともあり、しばらくは唸り声をあげるぐらいしかできなかった。
      それが、みおの亡骸を抱いた時に初めて言葉を口にする。彼女の名を、不明確な発声で。
      この演出が素晴らしい!
      (ちなみにこの6話では、5話で奪われた足が戻ってくる。) 2019/2/18

    • 種籾を武士から奪い返したとするみおは百姓の娘で、生地でのかつての豊かな実りは、百鬼丸の父が鬼神を通じ奪い取ったことが今回の話でわかる…。
      奪い奪われる理不尽。血塗られたものの隣にある平和と平穏、維持する苦悩。
      それらの狭間にいるのが百鬼丸の弟・多宝丸。彼の不安感はどこへ向かう…?2019/2/18

    • 『どろろ』6話:
      脚本が素晴らしい!と感じたのは、みおとどろろの会話。
      みおの仕事を知っての、どろろの身の上話の内容が、私には完全想定外だった。
      どろろは「母も同じような仕事をして」とくるかと思ってたが、「母はその仕事を絶対にしなかった」ときた。
      しかしここからの台詞と演出が秀逸!2019/2/18

    • 新作『どろろ』のシリーズ構成と脚本を担当しておられる、小林靖子氏。
      アニメ『進撃の巨人』も担当しておられる…。
      ツイッター上でも頻繁に言及されてるが……たしかにこの人すごいわ!人間を描く器量が、並ではない!2019/2/18


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    <2019/2/25~>

    • 『どろろ』7話:
      蜘蛛のあやかし(♀)と人間の男が、徐々に情を深め、最終的に理不尽な地から共に逃げるまでのお話。
      粗筋だけを読んでると唐突な感がしてたが、実際の映像で見ると説得力がある。心の動きが、絵や台詞や声といった総合力によって表されるからだ。
      そして百鬼丸の心も無表情の中に…。2019/2/25

    • 百鬼丸は何もしゃべらないが、耳は相当鍛えられてきたようだ。声の調子で感情は理解できるはずである。
      言葉については、どこまで理解できるのかはわからないが、どろろの言ってることはかなりわかってきてる感はある。だからすぐに的確に行動してる。
      最後に鼻で笑うに至るは、日々の学習の成果だろう。2019/2/25

    • 蜘蛛のあやかしを殺さなかった百鬼丸。明確には、蜘蛛の魂から邪気が消えたのを見て、更には、どろろのも含めあたりに飛び交う声の調子から察して、だろう。
      ネット上でも言われてることだが……前回の話で愛する者を失ったことで人間的にも成長せざるをえなくなった。だから抑制も可能となったのだ。2019/2/25

    • 異なるものとの共存を示すのは、今の時代のテーマに合っている。『鬼太郎』6期と共通するものがある。2019/2/25

    ―――

    • 『どろろ』8話:
      百鬼丸は、取り戻した聴覚と声を最大限に使い、どろろと組んでムカデ鬼神を粉砕。このアクションが非常に良い!
      取り戻した感覚が、一番キツイ場所で開眼するシーンもお約束。(今回は硫黄と嗅覚。)
      「さる」と「ねえちゃん」の背景とその後には、めでたしめでたしでは済まない闇も。2019/3/4

    • 「さる」はいわば浮浪児(ストリートチルドレン)。子供であるにもかかわらず大人達から排斥されてきた。彼はそんな大人達のもとに行って、果たして受け入れてもらえる?或いは溶け込めるのか…?
      「さる」に優しい「ねえちゃん」は1人暮らし。もしや除け者的立場かも。だから彼の気持ちがわかった?2019/3/4

    • 差別される側の人間が、差別される側の人間に同情し、ともに寄り添う。そんな関係なのかもしれない「さる」と「ねえちゃん」の関係は…。
      そんな2人を、特に共同体の常識を知らない「さる」を、果たして共同体はすんなり受け入れるだろうか?`60年代の作品なら、あからさまな差別が描かれてただろう。2019/3/4

    • ただ、「ねえちゃん」が嫁に行ったことで<残され雲>はなくなった、「ねえちゃん」のおかげで災いがなくなった、「ねえちゃん」=神 といった認識にでもなれば、共同体の対応は、今まで私が書いてきたこととは全く違うものになるでしょうけどね。2019/3/4

    • 『どろろ』8話:
      ムカデ鬼神に食われた「ねえちゃん」。時間がたってたのに消化されずに助かったことに違和感あるけど、他に食べるシーンを見てないから、「消化に時間がかかる」でいいかもしれない…。
      進撃の巨人』でも、食われたエレンは胃袋の中で生きてた。すぐには死んでない人も他にいた。2019/3/4


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    <2019/3/11~>

    • 『どろろ』9話:どろろの過去。
      暴力が支配する理不尽な社会で、父は殺され、母は衰弱死。なぜ生きててくれなかったのか、との怒りに似た思いが、社会への抵抗となって彼女を生かしてきたが、それだけでは寂しい…。
      「女の子」の意味は分からずとも、百鬼丸も今回、彼女との絆を強く感じた筈である。2019/3/11

    • モノクロの中、血と火、それにヒガンバナの赤のみが浮かび上がるどろろの回想。
      命の表現で統一性をもたせたかったから、母親の最期のシーンを原作とは違えたのか?
      違えて浮かび上がるのは、餓死の残酷さ。子を守る母の犠牲…。
      わが子のために素手でお粥を受けるシーンは原作のままで、深い母の愛が。2019/3/11

    • 現実世界において、紛争等で餓死者が出てるところ(イエメンなど)では、必ず子供から犠牲に…。
      しかしどろろの母は、わが子をそんな目にはあわさなかった。
      いかに自分の身を犠牲にしていたかがわかる、生きるために開き直ることもなく…。
      それは逆に、どろろにとっては辛かったということもわかる。2019/3/11

    • 『どろろ』9話:
      殺され奪われたから殺し奪う。そうやって自らの共同体を維持してゆく。
      しかし、恨みだけで将来設計皆無のままではいずれ限界が…と察した男が取った行動は、裏切りだった…。
      ただ、裏切っても彼は決してどろろ一家には手を出さなかった。どろろはそんな彼の生き方の影響も受けてる。2019/3/11

    • どろろが女の子であるとわかるのは、原作では最終回近くになってから。
      でもそれは不自然すぎる。このぐらいの段階でわかってちょうどいいと思う…。
      嗅覚が戻って、花の匂いを楽しむ百鬼丸は可愛い。
      その百鬼丸の存在を知った実父と、まだ事情を知らない実弟が、今後どうするかに注目。2019/3/11

    ―――

    • 『どろろ』10話:
      S30年代の東映・大映制作の痛快時代劇映画のノリ。若様がお供を連れて魑魅魍魎に立ち向かうという…。
      そんな感じの若様・多宝丸は、原作とは異なり、勇猛果敢で戦闘能力も高くて賢く性格もいい。しかし純真すぎて、どこか線の細さや、危うさすらも感じる。
      物語最後では兄と邂逅。2019/3/18

    • 多宝丸の兄・百鬼丸の登場は、唐突すぎるがカッコいい!
      苦闘する弟(勿論互いにそのことは知らない)を助けるかのごとく、化け物を一撃。これぞ痛快時代劇アクションとのノリだね…。
      ただ、物語の背景は暗く深刻。父親は、百鬼丸の存在に気づいた。
      この後の父と子、兄と弟との物語には悲劇の予感。2019/3/18

    • 2019年版『どろろ』の特徴は、百鬼丸の家族を、普遍的な人格と関係性で描いてることにある。
      特に父親の影光。彼は民の為に自分の子を犠牲にしたとも言える。犠牲にしたのが他人の子ではなく自分の子なので、自己犠牲だと納得してるのかも…。
      が暴君ではないことは、妻・縫の方への対応でもわかる。2019/3/18

    • ふつうDVに走りそうなものである、自分が犠牲にしたわが子を、知らずとはいえまるで自分を責めたててるかのように、あのように思い続けてる姿を見ていれば。
      それをずっと放置しているのは、妻への愛なのか?2019/3/18


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    <2019/3/25~>

    • 『どろろ』11話:
      研ぎ澄まされた脚本と画面構成、演出が生み出す俯瞰的な群衆劇が秀逸!
      BGMも効果的で、ドラマの引きをさらに盛り上げてる…。
      子(百鬼丸)との因果をそれぞれに感じる両親と、謎を調べようとする弟の存在を知らずに、百鬼丸は鬼神に挑む。その鬼神が居つくは人の業が築いた闇。2019/3/25

    • 鬼神・九尾の狐が居つくのは「ばんもん」。当初は敵国との壁として、無理やり村を裂いて(場合によっては家族を引き裂いて)建てられたいわば<ベルリンの壁>。
      そこがいまや<獄門>となってしまってる。敵の死体を壁にさらし憎しみをあおる人の業が、さらに加速されているのだ。2019/3/25

    • 前回10話で多宝丸を助けたことで、百鬼丸の存在は、父・醍醐景光と母・縫の知るところとなる。両親の反応に戸惑い、長年の謎を解こうと動く多宝丸…。
      豊かな醍醐の国に忍び寄る闇を象徴する「鬼の子が帰ってきた」との叫び…。
      九尾の狐との戦闘中の百鬼丸の前に現れる景光…。
      全てが効果的である。2019/3/25

    • 「鬼の子が帰ってきた」と百鬼丸を見て、多宝丸を見ても叫んだ女は、かつて百鬼丸を取り上げた産婆のひとり。
      赤子を抱くように石を抱いて、すっかり精神を病んでしまってた…。
      彼女の叫びの効果は、1971年の日本映画『八つ墓村』(横溝正史原作)での「八つ墓のたたりじゃ~!」を思い起こさせる。2019/3/25

    ―――

    • 『どろろ』12話:
      国や民の為と、わが子(百鬼丸)を犠牲にしたことを正当化しながらも、憐憫も侘びもない父親。心の半分を鬼が持ってったのか…?
      弟(多宝丸)の苦悩はわかる。結果として兄を斬り棄てようとする決意も…。
      母親は、血の母ではなく、国の母、地の母であることを選んだのだと感じた。2019/4/1

    • 家族の愛が何たるかをよく知らない百鬼丸は、彼らの反応にはいまいちピンときてなかった。
      代わりにどろろと、家族と無事会えた助六が、百鬼丸に何が起きてるのかを知らせる役目を担ってた…。
      百鬼丸が感情を露わにしたのは、みおを殺した侍に気づいた時。
      みおが彼を人と鬼とに分けるキーなのか?2019/4/1

    • 百鬼丸のヤバい家族関係と、鬼神に取り込まれた彼の母国の行く末を、より身近で語るのがどろろの役目だとすれば、より俯瞰的に客観的に語るのが、琵琶丸の役目となるのか…。
      原作の魂を持ちながらも、原作とは違う展開を見せるアニメ『どろろ』。
      2クール目はどういう展開になるのだろう? 2019/4/1

    • 『どろろ』12話:
      結構謎な点が多い…。
      (1)鬼神に自らを差し出した母親の生死(百鬼丸が取り込まれる前に自分が…との行動か?)
      (2)(1)の後、九尾の狐を取り込んで崩壊したばんもん(何が起きた?)
      (3)母親が持ってて(1)の後に放置された菩薩像が放つ謎の緑の光(琵琶丸が回収)。2019/4/1

    • こういう謎な点は、おそらく2クール目への伏線だろうとは思うが…。
      脚本や画面構成や演出には、鋭く計算されたものを感じるからね。2019/4/1

    • 追加『どろろ』12話について:
      助六が殺されなかったのは、大人達より背丈が低いことからくる運だったのかもしれないが…。子供に直接矢を向けることへの抵抗感が兵達にあったことを願いたい。
      百鬼丸の母は、夫が息子にした非道を知らないと思ってたが…。実はいつのまにか知ってしまってたのね。2019/4/1


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    <2019/4/15~>

    • 『どろろ』13話:
      クリエーターがハマりがちなスパイラル(できない作れない×無限)に陥った仏師(♂)。その心があやかし(不動)を生み、自らもあやかし、それも♀に…。
      どろろの心読み、亡き母に化けて彼女の心を掴むが、同時に彼女の笑みで母性が開花。百鬼丸の顔が欲しくても、彼は騙せなかった2019/4/15

    • 仏師が性転換し♀になった理由は、不動に付けたい♂の顔を是が非にでも取りたい執念(相手を騙す為には♀の方が都合がいい)からか…?
      しかし、母の顔を見たことがない百鬼丸の心からは母の顔を取りだせず、百鬼丸は不動の退治に走り、元仏師は、自らが生み出した化け物に自らがやられてしまうことに2019/4/15

    • でも元仏師(おかか)、元は人間だっただけに、思いやりの心は残ってたようだった。
      というか、さすがに子供までは巻き込みたくないという良心は残っていたようで…。
      そういう彼女の心が回り回って、加えてどろろのまっすぐで純粋な笑顔に接して、最期彼女の心は救われたようだった。2019/4/15

    • 百鬼丸はだいぶ話せるようになった。
      家族、特に母親がどういう存在かもわかってきてて、それだけに全員からの拒絶にはショックを…。
      それ以外では他者のことにも気を配るようになってきてて、今回どろろに明確な思いやりを示す…。
      2人で温泉。そこでどろろの背中に地図らしきもの発見。あとは次回2019/4/15

    • 『どろろ』13話:
      第2クールでOPもEDも一新。OP冒頭は百鬼丸の内面?その闇をどろろの笑顔がはねのける。
      彼女にとって百鬼丸はもはや家族。それに応えるように百鬼丸の心も成長していくのか…。
      しかし百鬼丸の本当の家族は?母親は生きてたけど寝たきり。弟・多宝丸は隻眼に。父親の闇は?2019/4/15

    ―――

    • 『どろろ』14話:
      人外なものと人間とがある意味共存してる世界。鬼神以外は大丈夫と思ってるのか、どろろが絡まれて困ろうとも百鬼丸は放置…。
      一方、人外なものを利用し国を治めてるのは、百鬼丸の父だけではない。そんなアブナイ国に、どろろと百鬼丸は獲物として招き入れられる。顛末は次回に。2019/4/22

    • どろろと亡き母の背中には、亡き父により、金の隠し場所が暗号的に掘られてたことがわかる。
      「革命戦士」的精神構造を持ってた両親から押し付けられた遺産に戸惑うどろろ。
      琵琶丸は、彼女の遺産を現実的意味合いで解釈。さらに百鬼丸には鬼神と戦う意義を問う。「醍醐の国」を犠牲にしていいのかと。2019/4/22

    • どろろの両親の精神構造は、まっすぐで一途だが融通がきかない。そこをイタチが嫌ったのだろう。
      どろろの為に革命資金を全額使っても、それにより彼女が世を変える技や技量を得られればある意味目的達成では?そう解釈できてれば、回りくどくてややこしいことしないで済んだのではないかと思うのだが。2019/4/22

    • 『どろろ』14話:
      TLでは、モスラだその幼虫だと騒いでた。百鬼丸とどろろを襲うそれらを実際に見てみると、なるほど…。
      物語の最後、アブナイ領主・鯖目が抱きしめる美女は、鬼神マイマイオンバ(本体モスラ)。2019/4/22


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    <2019/4/30~>

    • 『どろろ』15話:
      平和や平穏は、血塗られたものの上、或いはその隣にある。
      平和や平穏は、築く際の犠牲が余りに理不尽なら、報いを受けいつかは崩壊するかもしれない。
      それでも、全てに報いを与えるは理不尽、或いは、奪われたものを奪いかえす際の犠牲に目を背けていいのか、とどろろは苦悩する。2019/4/30

    • 百鬼丸も、そうした状況に気づいてないわけではないと思う。
      しかし彼には怒りの方が強いのだ。自分の父と同じことをしてる「鯖目」への。鬼神と結び、平和と平穏の為としながら自分の同じ様な犠牲者を出し続けてることへの…。
      生きる為の彼の闘いには余裕がない。結果どろろとの間に亀裂を生むことに。2019/4/30

    • この話も含め、原作との違いは、百鬼丸が社会から迫害されるシーンが殆どないこと。
      私的には物足りないが、社会が百鬼丸のような異なる者に関心を持てないほど余裕がないから、と考えればどうだろう。
      関心を持つからこそ差別し迫害するとすれば、ある意味ではより荒涼とした世界に生きてるとも言える。2019/4/30

    • 『どろろ』15話:
      絵についていろいろ言われてる。確かにこの回だけ独自。前後編になってるから特に目立つ。
      でも私が見るに1話分で統一されてる。作画崩壊ではない。賛否あっても計算された演出なのだ。
      画面展開も変じゃない。こういうブチ切り方は実写映画では存在する。俯瞰的な効果を狙ってる。2019/4/30

    • 百鬼丸に傷つけられたあやかしが火のついたやぐらに突っ込んで、とたんに村中から火が噴き上がったシーン、たしかに唐突だが、理屈が付けられないわけではない。
      まぁ、どちらかといえば演出上の効果を狙ってるが…。
      「鯖目」の体が消えた理由も。鬼神と心身交わっていたのだから、その影響だろう。2019/4/30

    ―――

    • 『どろろ』16話:
      イタチ。どろろの父が隠した金のありかを知るべくどろろの母の墓を暴いて背中の地図をメモし、子にも何か刻んでる筈とどろろを捕え、恩も忘れて彼女の服をひんむく。
      しらぬい。非道にもサメに人を食わせ、サメが殺されるとその非道に怒る。
      皆勝手だが、皆理屈があるのが悲しい…2019/5/6

    • しらぬいの理屈は、家族(サメ逹)を食わせ、守ること。
      彼にとって、自分以外の人間は敵で、獲物なのだ。
      なぜそういう心理になったのかは今のところわからないが、差別され迫害された悲惨な過去があることは明白…。
      愛するサメを1頭失った悔しさと悲しみは、生き残ったサメをあやかしに変える。_2019/5/6

    • 父似の精神力を持つどろろは、自ら囮となりサメの駆除に力を貸す…。
      そんな彼女にイタチは酷いことをし続けるが、酷さをそれほど感じないのは、最低限の思いやりを感じるからだ。金もちゃんと彼女に渡す筈だと。
      殴ってないし、女の子だとわかった時には本気で慌ててたし。
      声優さんの演じ方もうまい。2019/5/6